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【戦略記事】 プロツアー『イニストラードを覆う影』スタンダード・メタゲーム・ブレイクダウン

【戦略記事】 プロツアー『イニストラードを覆う影』スタンダード・メタゲーム・ブレイクダウン

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Tobi Henke / Tr. Tetsuya Yabuki

2016年4月22日

原文はこちら

 スタンダード環境の一新。今や、プロツアーを迎えるたびにこの変革が起きている。なぜなら、近年のプロツアーは新セットの発売から極めて近いタイミングで開催されているからだ。スタンダードのローテーションが起こると、新セットからカードが加えられるだけでなく、古いブロックのカードが抜けていく。今回は中でも特別で、新セットのカード(『イニストラードを覆う影』)が入るとともに古いブロックの2セット(『タルキール覇王譚』と『運命再編』)がスタンダード落ちする。今大会はまた、スタンダードのローテーション方式が3ブロック5~6セット制に変わって最初のプロツアーということになる。

 では、そんな今大会にて、プレイヤーたちはどのようなデッキを選択したのだろう? 早速見てみよう!

アーキタイプ使用者数使用率
バント・カンパニー8723.02%
白単人間4311.38%
赤緑ランプ225.82%
白青人間205.29%
マルドゥ・コントロール195.03%
赤緑ゴーグル・ランプ153.97%
エスパー・コントロール143.70%
白黒ミッドレンジ143.70%
黒緑アリストクラッツ133.44%
ジャンド133.44%
緑白トークン102.65%
黒緑コントロール82.12%
エスパー・ドラゴン71.85%
赤白ミッドレンジ71.85%
緑白人間51.32%
赤白ゴーグル51.32%
赤白人間51.32%
青黒「悪魔の触手」51.32%
青赤「氷の中の存在」51.32%
白黒コントロール51.32%
白黒エルドラージ51.32%
スゥルタイ・ミッドレンジ41.06%
白青エルドラージ41.06%
アブザン・カンパニー41.06%
4色ドラゴン・リアニメイト30.79%
黒赤ミッドレンジ30.79%
バント・トークン30.79%
ビッグ・ホワイト30.79%
ジェスカイ・ゴーグル30.79%
アブザン・コントロール20.53%
バント・カンパニー(人間型)20.53%
グリクシス・コントロール20.53%
ジェスカイ・ドラゴン20.53%
赤単ゴーグル20.53%
ナヤ・ミッドレンジ20.53%
ナヤ・トークン20.53%
青赤ゴーグル20.53%
その他82.12%
合計378100.00%

 他を大きく引き離して最大勢力となったのは、「バント・カンパニー」だった。このデッキはプロツアー前に行われたいくつかの大会でもすでに結果を残しており、筆者が聞いた限りでも多くのプレイヤーがこのデッキを倒すべきものだと位置づけながらも、これに安定して勝てるデッキは簡単には見つからないと認めていた。同様に、白青、緑白、白単と様々な形の「人間」デッキもまた、予想を裏切らず多くの数をこの週末に送り込んでいる。最大勢力の「白単人間」をはじめ各色の「人間」デッキを合計すれば、「バント・カンパニー」の4分の3ほどの量に迫る勢いだ。

 とはいえ、既存のデッキにも革新は必要とされたようだ。例えば、現在の《集合した中隊》デッキではもはや、《ヴリンの神童、ジェイス》は最高の2マナ域ではないという結論を下したチームがある。その一方で、《勇者の選定師》は「人間」デッキを選択したプレイヤーたちに評価されるようになった。中には「人間」デッキと「集合した中隊」デッキを両立させたプレイヤーもふたりいて、《ケラル砦の修道院長》や《多勢》、ときに《無謀な奇襲隊》も採用した「赤白人間」を使用しているプレイヤーも5人いる。

 また、プロツアー前の大会結果により、《紅蓮術師のゴーグル》と《マグマの洞察力》や《苦しめる声》、そして《溺墓の寺院》を組み合わせたデッキの可能性が浮上した。しかしその実力は、まだ未知数だ。今のところ、青赤のコントロールに寄せた形や《氷の中の存在》を採用したもの、また3色目を使用しているものや赤白の形にまとめたものなど、様々なタイプがある。ある注目すべきチームは「赤緑ゴーグル・ランプ」なるデッキを作り上げ、中には《突沸の器》を用いて3ターン目に《紅蓮術師のゴーグル》から《マグマの洞察力》という動きを実現する「赤単ゴーグル」を選択した勇者もふたりいる。

 革新的なデッキとしては、他にも《壌土のドライアド》と《謎の石の儀式》の力を活かして有名チームが組み上げた「黒緑アリストクラッツ」や、一方で《闇の誓願》や《過ぎ去った季節》も利用する「黒緑コントロール」も挙げられる。

 だが、これでもまだ氷山の一角だ。中には《パズルの欠片》で各種ドラゴンを墓地へ送り、《末永く》で繰り出すものがあれば、《押し潰す触手》であらゆるパーマネントごと《悪魔の契約》を手札に戻すデッキまである。

 もちろん現時点では、これらの戦略のうちどれが成功を収め、どれが至らないかを判断するのは早計だろう。明日は2日目に進出したデッキに注目し、分析を進めていこう。

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