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【戦略記事】 4通りの「紅蓮術師のゴーグル」

【戦略記事】 4通りの「紅蓮術師のゴーグル」

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Josh Bennett / Tr. Keiichi Kawazoe

2016年4月22日

原文はこちら

 《紅蓮術師のゴーグル/Pyromancer's Goggles(ORI)》は私が神話レアに求めているもの全てを兼ね備えている。フレーバーに富み、間違いなく強力で、そして想像力を掻き立てる可能性に満ちた能力を持っている。しかしながら、このプロツアーにおいて有効性が見いだされるとは期待していなかったし、こんなに多様な使い方があるとも思っていなかった。

 それらのデッキの中核は真っすぐなものだ。《マグマの洞察力/Magmatic Insight(ORI)》と《苦しめる声/Tormenting Voice(SOI)》はゴーグルを素早く見つけるための手段になるとともに、一度見つければドローソースとなる。《焦熱の衝動/Fiery Impulse(ORI)》と《稲妻の斧/Lightning Axe(SOI)》はゴーグルによって倍化する強力な1マナ火力である。問題は、最終的にどこに向かうのかである。今回、使い手たちに自身のバージョンの要所を尋ねてみた。

 まず最初に、ゴーグルと《氷の中の存在/Thing in the Ice(SOI)》による青赤コントロールを使う数人の中の一人、ダミアン・メイス/Damien Maceと話してみた。彼はきまり悪そうに「すでにあったデッキリストをコピーしたんだ」と打ち明けたが、一方でデッキ内におけるこの強力なアーティファクトの立ち位置についての考えを披露してくれた。

「これはコントロールと言うよりテンポ・バーンデッキとして働くんだ。《氷の中の存在/Thing in the Ice(SOI)》で勝つよりも《巨人の陥落/Fall of the Titans(OGW)》をコピーして勝つ方が多いはずさ。ゲーム序盤では、よりバーンとしての動きに切り替わる。ドロースペルでひたすら火力を仕入れれば、対戦相手を倒すのに長くはかからない。ゴーグルは強力だし、今の環境はアーティファクトを使いやすくなってる。いま気をつけなければいけないのは《苦渋の破棄/Anguished Unmaking(SOI)》だけだね」

 次に話を聞いたのは殿堂顕彰者のウィリー・エデル/Willy Edelだ。彼は赤白のエルドラージデッキの中で活用している「DEX Army」の1人である。

「ゴーグルは素晴らしいよ。あたりを見回せば、これを使ったありとあらゆるデッキが見られるってことさ。まだ赤黒のタイプだけは見つけてないけど、他の組み合わせは全部見たな。《マグマの洞察力/Magmatic Insight(ORI)》と《苦しめる声/Tormenting Voice(SOI)》で4枚引けば、そうそう負けないと感じるだろう。単に火力呪文をコピーしていくだけでも遅いゲームを取れるしね。うちのチームの奴が最初に考えたのは赤単エルドラージ型だったんだ。あれも好きだったけど、ちょっと環境に合わないと思って白を足したんだ。元々無色マナのために《戦場の鍛冶場/Battlefield Forge(ORI)》を使ってたから、マナベースの負担はほとんど問題にならなかったね。《鋭い突端/Needle Spires(OGW)》はプレッシャーを与え続ける上で大事なんだけど、それ以上に白を取ることで《神聖なる月光/Hallowed Moonlight(ORI)》や《悲劇的な傲慢/Tragic Arrogance(ORI)》、あとは《変位エルドラージ/Eldrazi Displacer(OGW)》と相性がいい《保護者、リンヴァーラ/Linvala, the Preserver(OGW)》といったサイドボードができるようになるんだ。特に最後の組合せはゲームを終わらせる力があるよ」

 もしかすると、タマス・ナギー/Tamas Nagyとクリスティアン・セイボルト/Christian Seiboldが使っている形が一番好みかもしれない。彼らのは《突沸の器/Vessel of Volatility(SOI)》を使った赤単のタイプだ。セイボルトが言う。「器を2ターン目に置くだろ? 対戦相手が困惑した表情になるんだ。そして、3ターン目にゴーグルを置くんだよ。」

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クリスティアン・セイボルトは可能な限り早くゴーグルを置くことに価値を見出した

 セイボルトにデッキのポイントを聞いてみた。「トッド・アンダーソン/Todd Andersonの青赤のリストを見て気に入ったんだけど、たった8~10枚の青いカードを入れて、しかも相手の除去の的にしかならないジェイスを採用していることに疑問があったんだ。で、クリーチャーなしを試してみることにしたんだ。最初は《衰滅/Languish(ORI)》使った黒入りを試したんだけどマナベースが悪かった。土地はすべてアンタップインしてほしくて、結局単色になったんだ。実はタマスが初めて《突沸の器/Vessel of Volatility(SOI)》を持ってきたんだけど、ひと目で恋に落ちたね。これのポイントは対戦相手が解答不能なデカブツを出すための加速じゃなくて、3ターン目にゴーグルを置いて《マグマの洞察力/Magmatic Insight(ORI)》か《稲妻の斧/Lightning Axe(SOI)》を使うか、4ターン目に《炎呼び、チャンドラ》で盤面を綺麗にするとこまでの加速だってことだ。だから持続的な脅威以上に価値が出てくるんだ」

 最後は赤緑のゴーグル・ランプを持ち込み会場を沸かせている「Team EUreka」だ。私はピエール・ダジャン/Pierre Dagenに直撃した。

「これはこのデッキのエンジンなんだ。ゴーグルは1ゲーム目を素晴らしいものにしてくれる。実に強力な第ニ撃が入るんだ。」 彼になぜ2色目として緑を選んだのかを尋ねてみた。「皆は青を足してやっているけど、それは十分じゃないんだ。緑に行けば《ニッサの巡礼/Nissa's Pilgrimage(ORI)》があるし、他にも《マグマの洞察力/Magmatic Insight(ORI)》や《苦しめる声/Tormenting Voice(SOI)》で捨てた《溺墓の寺院/Drownyard Temple(SOI)》を戻せば4ターン目にゴーグルを出せるんだ。あと《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald(SOI)》も、土地を早く引き込める上に、簡単に昂揚を達成する中盤以降は《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka(DTK)》を探して来られる良いカードだ。これは《巨人の陥落/Fall of the Titans(OGW)》を助けてゲームを早く終わらせる、良いマナブーストでもあるね」

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ピエール・ダジャンと「Team EUreka」の大多数は、ランプに《紅蓮術師のゴーグル/Pyromancer's Goggles(ORI)》を加えるという戦略に潜在力を見出したのだった。

 おわかりだろうか? 4つの違ったアプローチがゴーグルの力を振るっているのだ。この記事を書いている時点で彼らはまだ上位卓に多数見られ、ブラッド・ネルソン/Brad Nelsonは赤緑ゴーグル・ランプで7-0という完璧な成績を残している。この週末、彼らが何を成し遂げるかに注目しよう。

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