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【観戦記事】 第8回戦:Mike Sigrist(アメリカ) vs. Eduardo dos Santos Vieira(ブラジル)

【観戦記事】 第8回戦:Mike Sigrist(アメリカ) vs. Eduardo dos Santos Vieira(ブラジル)

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Marc Calderaro / Tr. Tetsuya Yabuki

2017年11月3日

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マイク・シグリスト/Mike Sigrist(4色エネルギー) vs. エドゥアルド・ドス・サントス・ヴィエラ/Eduardo dos Santos Vieira(緑白アグロ)

 エドゥアルド・ドス・サントス・ヴィエラの名は、マジック・コミュニティ全体には広く知られていないかもしれない。しかし南米地域のプレイヤーで彼を知らぬ者はいない。グランプリ・トップ8入賞は5回を数え、そのうちグランプリ・サンティアゴ2014では優勝、チーム・リミテッドで行われたグランプリ・サンパウロ2014では準優勝している。長きにわたってブラジル国内で戦ってきた彼だが、今大会でここまで6勝1敗の好成績を残し、ついに飛翔のときを迎えていた。チーム「Cardhoarder Brazil」の一員として、ヴィエラは世界にその名を轟かせようとしている。グランプリ・デンバー2011以来となる南米地域以外でのトップ8入賞に向けて、悪くない展開だ。

 対面に座るのは、チーム「ChannelFireball」のマイク・シグリスト。プロツアー・トップ8入賞2回とグランプリ・トップ8入賞7回(うち2回優勝)を記録するプレイヤーだ。それから、2014-2015年シーズンにはプレイヤー・オブ・ザ・イヤーも獲得している。確かに、シグリストは娘を授かって以来しばらく一線を退いていた。だが侮るなかれ――その姿を見れば、プレイヤー・オブ・ザ・イヤーとしての彼が生き続けているのがわかる。

 シグリストは会場を席巻している「4色エネルギー」を手に今大会に臨んでいる。一方のヴィエラは、同じブラジルの仲間であるウィリー・エデル/Willy Edelが「『イクサラン』Zoo」と呼ぶ「緑白アグロ」で上位デッキに挑んでいる。猫からジャッカル、マーフォーク、恐竜、果ては改革派まで詰め込まれたこのデッキは、まさにスタンダードの動物園だ。勝負のゆくえは、シグリストがヴィエラの攻勢を食い止めつつ彼のライフを脅かすことができるかどうかにかかっているだろう――非常に難しい綱渡りが要求される。

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エドゥアルド・ドス・サントス・ヴィエラは、攻撃的な姿勢を崩さず優位を維持しなくてはならない。

ゲーム展開

 第1ゲーム、先攻を取ったヴィエラは2体の《アダントの先兵》で開幕を飾った。序盤の防衛手段が《削剥》と《マグマのしぶき》しかないシグリストに対して、強力な攻め手だ。このひたすらに攻撃を繰り出すプランこそ、ヴィエラに必要な動きだった。緑マナ源がなく土地が2枚で止まっても、先兵たちがやってくれる!

 シグリストも当然、《アダントの先兵》が機能不全になれば盤面の優位を取れることはわかっていた。そこで彼は赤の除去呪文を4点の直接火力として扱うことにした。シグリストが火力を差し向けるたびに、ヴィエラは4点のライフを支払い《アダントの先兵》に破壊不能を与えた。瞬く間にヴィエラのライフは残り10点。もうこれ以上クリーチャーを守ることはできなかった。

 シグリストが《導路の召使い》の力を借りて4ターン目に《栄光をもたらすもの》を繰り出すと、攻め手側が明確に変わった。逆転は明らかだった。いまだ土地が止まっているヴィエラには、救世主が必要だった。

 ここで勝敗の分かれ目がやって来る。この時点でヴィエラの残りライフは6点。シグリストは残り5点。シグリストは、反撃の隙を与えてもここで攻撃するべきか、そして《栄光をもたらすもの》の「督励」を使う余裕があるかどうかを吟味した。そして彼は動き出す。《栄光をもたらすもの》の「督励」で《アダントの先兵》を除去すると、続けて《秘宝探究者、ヴラスカ》の[-3]能力でもう1体も対処。ヴィエラにとって最悪の展開だった。

 盤面の状況は、ゲームの行く末を示唆していた。ヴィエラの盤面は、《聖なる猫》1体とあまりに遅い到着の《森》。彼の希望からはかけ離れている。それでも彼は《ピーマの改革派、リシュカー》でアタッカーを維持したが、《聖なる猫》は期待に応えてくれなかった。

 シグリストはターンを迎えると《ピーマの改革派、リシュカー》を除去し、さらに2体のクリーチャーを盤面に追加した。これにて万事休す。辛いことだが、《栄光をもたらすもの》はひとりにしか栄光をもたらさないのだ。

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第1ゲームを勝利し、栄光を手にしたマイク・シグリスト

 第2ゲームも同様の立ち上がり。《アダントの先兵》と《導路の召使い》が対峙する形だ。だが今回は、ヴィエラが攻勢を押し進めるために必要な土地を確保していた。《ピーマの改革派、リシュカー》と《霊気圏の収集艇》が、シグリストの持つ赤の除去呪文に試練を与える。この状況でどれだけの効果を発揮できるのか、と。

 (除去は見事に効果を発揮し)《ピーマの改革派、リシュカー》と《霊気圏の収集艇》は墓地へ送られたものの、ヴィエラは《典雅な襲撃者》、《立て直しのケンラ》、《造命の賢者、オビア・パースリー》と盤面を立て直していく。攻勢としては速くないものの、シグリストはライフを保つために多くのカードを費やすことになった。

 シグリストは《導路の召使い》3枚と《つむじ風の巨匠》を展開していたが、飛行機械・トークンでチャンプ・ブロックするという悪い状況に追い込まれていた。2枚の手札に残るのは土地のみで、せっかくのマナ・クリーチャーも急速に意味を失っていく。それでもまだ、彼のライフは多く残っていた。

 じりじりと盤面を押していくヴィエラに対して、シグリストが動いた。彼は《導路の召使い》たちで反撃し《アダントの先兵》の能力を縛っていくと、次には引き込んだ《栄光をもたらすもの》を盤面へ繰り出した。そのまま「督励」込みで攻撃し、彼を苦しめ続けてきた《アダントの先兵》を除去しにかかる。それは《顕在的防御》で防がれたものの、この攻撃でヴィエラのライフは残り4点に。《アダントの先兵》が機能不全になっただけでなく、全軍での攻撃もできなくなった。

 ヴィエラが《栄光をもたらすもの》に《空鯨捕りの一撃》を当てて生き延びると、盤面は一気に膠着した。シグリストの残りライフは6点、ヴィエラは残り3点――両者とも攻撃に打って出るには危険だった。唯一、《つむじ風の巨匠》から放たれた1体の飛行機械・トークンだけが戦場を飛び越えて攻撃を加えていた。

 ヴィエラは守りを固めて時間を稼いだ。唯一の勝ち筋である《旗幟+鮮明》を待ち、この状況を守り切るしかない。

 しかし不幸にも、それが訪れる前に《蝗の神》が拮抗していた盤面を一方的なものに変えた。シグリストは飛行機械・トークンで慎重に1点ずつ削り、ヴィエラがこの状況を脱する切り札を引き込む前に勝負を決したのだった。

 エドゥアルド・ドス・サントス・ヴィエラは右手を伸ばし、彼のプロツアー『イクサラン』初日は6勝2敗の成績で幕を閉じた。マイク・シグリストはこれで7勝1敗。今夜はよく眠れることだろう。

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マイク・シグリストがエドゥアルド・ドス・サントス・ヴィエラを下し、成績を7勝1敗に伸ばす!

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