マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

イベントカバレージ

【戦略記事】 プロツアー『イクサラン』2日目スタンダード・メタゲームブレイクダウン

【戦略記事】 プロツアー『イクサラン』2日目スタンダード・メタゲームブレイクダウン

calderaro.jpg

Marc Calderaro / Tr. Tetsuya Yabuki

2017年11月4日

原文はこちら

 みんなお待たせ! ヤン・ウィンチャン/Yam, Wing Chunがプロツアー『破滅の刻』の雪辱を果たし歴史にその名を刻むべく奮闘していたり、世界ランキング2位のパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosa(プロツアー『破滅の刻』王者)が8勝1敗でそれに続いていたり、プロツアー『イクサラン』は大いに盛り上がっているが、君たちの求めているものはわかっている――データの一覧だ!

(うおおおおおお!)私は今、これを書きながらあまりの楽しさに震えている。同僚たちを揺さぶってやりたいくらい興奮している! そんな私のことを、彼らは努めて無視しているようだ。

 オーライ、早速始めよう。昨日、私たちは一大勢力を築いた「エネルギー」系デッキと、その座を狙うさまざまなアーキタイプの広がりを見た。では実際に戦いが始まると、どうなったのか? 今日は2日目に残ったデッキ(287人分)をアーキタイプ別に見てみよう。2日目の使用率と2日目進出率も加えたデータを以下に掲載する。2日目の平均進出率は63%だ。つまりそれを下回ったデッキはあまり活躍できず、上回ったデッキは成功したと言える。

アーキタイプ2日目使用者数初日使用者数2日目使用率2日目進出率
ティムール・エネルギー6610723.00%62%
ラムナプ・レッド639022.00%70%
4色エネルギー578919.90%64%
スゥルタイ・エネルギー17235.90%74%
黒赤アグロ13204.5%65%
エスパー「王神の贈り物」9123.10%75%
マルドゥ機体9203.10%45%
白青「副陽の接近」8102.80%80%
青黒コントロール7162.40%44%
黒単アグロ5101.70%50%
白単吸血鬼551.70%100%
白青「王神の贈り物」571.70%71%
アブザン・トークン471.40%57%
4色トークン230.70%67%
緑青「打撃体」220.70%100%
緑白アグロ220.70%100%
青黒「王神の贈り物」230.70%67%
黒緑エネルギー110.30%100%
エスパー・トークン150.30%20%
グリクシス・コントロール120.30%50%
ジェスカイ「副陽の接近」120.30%50%
スゥルタイ「打撃体」110.30%100%
ティムール「打撃体」110.30%100%
白黒ミッドレンジ110.30%100%
白黒トークン120.30%50%
白青コントロール110.30%100%
エスパー「副陽の接近」110.30%100%
赤白「副陽の接近」110.30%100%
合計287455  平均 - 63%

 メタゲームの割合自体は大きく変わっていない。上位4デッキ――「ティムール・エネルギー」、「ラムナプ・レッド」、「4色エネルギー」、「スゥルタイ・エネルギー」がそのまま上位を維持している。目を引くのは、「スゥルタイ・エネルギー」の2日目進出率が他の「エネルギー」と比べてかなり高い点だろう(わずかながら「ラムナプ・レッド」も上回っている)。使用者数が少ないという理由もあると思われるが、それでも平均より10%以上高いという点は無視できない。《巻きつき蛇》の不在はメタゲームに大きな穴を空けていたが、それをこの「スゥルタイ・エネルギー」が見事に埋めたのだ。

 さて、上記の表では2日目の状況がわかりにくいかもしれない。次はアーキタイプを2日目進出率順に並べ直し、初日の使用者数が5人を下回るものについては除外してみよう。

アーキタイプ2日目使用者数初日使用者数2日目使用率2日目進出率
白単吸血鬼551.70%100%
白青「副陽の接近」8102.80%80%
エスパー「王神の贈り物」9123.10%75%
スゥルタイ・エネルギー17235.90%74%
白青「王神の贈り物」571.70%71%
ラムナプ・レッド639022.00%70%
黒赤アグロ13204.5%65%
4色エネルギー578919.90%64%
ティムール・エネルギー6610723.00%62%
アブザン・トークン471.40%57%
黒単アグロ5101.70%50%
マルドゥ機体9203.10%45%
青黒コントロール7162.40%44%
エスパー・トークン150.30%20%

 この表を見て、私は責任ある仕事中にふさわしい落ち着いた姿勢で座りながらも、心の内は腕を振り回したいほどの熱狂に駆られたのだ!

 この表では、文字通り使用者全員を2日目へ導いた「白単吸血鬼」が勝者だ。事実このデッキは、フィーチャー・マッチでも対戦相手を驚かせ、次々とゲームを奪っていた。とりわけ、同じく新しい単色のアグロ戦略である「黒単アグロ」と比較すると、「白単吸血鬼」の活躍が際立つ。「黒単アグロ」も5人を2日目へ送ったが、これは全体の半分に留まっているのだ。「白単吸血鬼」は間違いなく注目のデッキと言えるだろう。

 なおドラフト・ラウンドも考慮した上で、このデッキは見事な活躍を見せている。このデッキは平均してスタンダード・ラウンド5回戦中3.5勝を記録しており、これは上記のどのデッキよりも高い数値である。比較のために例を挙げるなら、「ティムール・エネルギー」は平均2.9勝だ。「白単吸血鬼」を使用したプレイヤーがドラフト・ラウンドで失敗していたとしても、このデッキは好成績を残したのだ。

 「白単吸血鬼」の下には、「白青『副陽の接近』」が2日目進出率80%で続いている――これはコントロール・デッキで断然の首位だ。下位に沈んだ「青黒コントロール」と比較すると、80%という数字がさらに際立つ。どちらも今大会注目のコントロール・デッキだったが、明暗分かれた形だ。たまたま「青黒コントロール」にとって厳しい戦いが続いたのかもしれないし、「白青『副陽の接近』」が普通なら勝てないゲームを拾えたのかもしれない。だが理由はどうあれ、根っからのコントロール使いなら「白青『副陽の接近』」を選択するのが正解なのかもしれない。

 それから、第3位の「エスパー『王神の贈り物』」にも触れよう。このデッキと(順位ではふたつ下の)「白青『王神の贈り物』」を合わせても、平均より10%高い進出率を記録している。《王神の贈り物》を用いるデッキの、コンボ色がありながら重くじわじわと圧倒していくところが好きなプレイヤーにとって、嬉しい結果と言えるだろう!

 最後に、ひとつ個人的に注目したいデッキがある。スタンダード・ラウンド平均4勝を挙げた「緑青『打撃体』」だ。使用者はヴァレンティン・マックル/Valentin Macklとパトリック・ディックマン/Patrick Dickmannの二人組だけだが、その活躍ぶりには目を瞠るものがある。特筆すべきは、ディックマンとマックルはどちらもドラフト・ラウンドで大敗を喫し、スタンダード・ラウンドに移った時点で壁際に追い詰められていたという事実だ。彼らはふたりで組み上げた「緑青『打撃体』」を愛しており、もっとこのデッキで戦いたいと心から願った。

 そしてその願いは通じた。両者とも5回戦のうち4回にわたり対戦相手を強烈な打撃で沈め、他のどのデッキより優れた結果を叩き出し、無理だと思われた2日目進出を果たしたのだ。こうして彼らは、今日も愛するデッキを手に戦っている。

 いかがだろう!? 以上、勝利のためのデータをお届けした。少なくとも今大会では、「エネルギー」系を使いたいなら「スゥルタイ・エネルギー」、アグロ系を使いたいなら「白単吸血鬼」、コントロール系なら「白青『副陽の接近』」が正解のようだ。何か変わったデッキを使いたいなら、「緑青『打撃体』」を使ってみるといいだろう。これらのデッキの、今後の活躍を楽しみにしている。

前の記事: 【英語記事】 ドラフトビューワー:2日目 ポッド1 | 次の記事: 【英語記事】 The Heroes of China
プロツアー『イクサラン』 一覧に戻る