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【観戦記事】 決勝:Seth Manfield(アメリカ) vs. Pascal Maynard(カナダ)

【観戦記事】 決勝:Seth Manfield(アメリカ) vs. Pascal Maynard(カナダ)

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Corbin Hosler / Tr. Tetsuya Yabuki

2017年11月5日

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セス・マンフィールド/Seth Manfield(世界ランキング11位/スゥルタイ・エネルギー) vs.パスカル・メイナード/Pascal Maynard(白青「王神の贈り物」)

 プロツアー『イクサラン』決勝戦に向けてデッキをシャッフルする両者。今大会の決勝ラウンドは、実績豊富なプロ・プレイヤーと初トップ8入賞のプレイヤーが織り交ざっていた(サミュエル・イレンフェルト/Samuel Ihlenfeldtは、なんとプロツアー初出場の選手だ)。だが今この場にいるふたりについては、この舞台に立っていることに驚きはないだろう。

 パスカル・メイナードはグランプリ・トップ8入賞13回を誇るベテランであり、プロツアーでもトップ8入賞を果たしている。対する世界ランキング11位のセス・マンフィールドは、今回で自身4度目のプロツアー・トップ8入賞を達成した。

 これまで合わせてグランプリ・トップ8入賞24回とプロツアー・トップ8入賞4回を記録している両者は、大きなプレッシャーのかかる大舞台を経験済みだ。彼らが繰り広げる決勝戦は、きっと最高のものになるだろう。賞金50,000ドルとプラチナ・レベルのステータス、プレイヤー・オブ・ザ・イヤー・レースの先頭の座、そして優勝トロフィーを懸けたこの一戦。プロツアー『イクサラン』決勝もまた、歴史に残るものになるはずだ。

 それから、両者のデッキにも驚かされる。今大会で最も人気を集めたアーキタイプは「ティムール・エネルギー」、「ラムナプ・レッド」、「4色エネルギー」の3つであり、それぞれトップ8入賞者を輩出した。しかしこの決勝で戦う両者のデッキは、そのどれでもない。

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セス・マンフィールドとパスカル・メイナードがプロツアー『イクサラン』王者のタイトルをかけて激突する!

 マンフィールドは《巻きつき蛇》を中心に据え、そこへエネルギー関連のカードを組み合わせて《光袖会の収集者》や《歩行バリスタ》、《人質取り》といったカードの力を引き出す「スゥルタイ・エネルギー」を選択した。一方のメイナードが使用するのは「高速コンボ」バージョンの「王神の贈り物」デッキ。その名を冠する《王神の贈り物》を墓地へ送り、早ければ3ターン目、通常でも4ターン目に《復元》で戦場に戻すことを狙う。その後は《機知の勇者》や《発明の天使》をリアニメイトし、大型クリーチャーの行進で対戦相手を踏み潰す。

ゲーム展開

 マンフィールドがマリガンを喫したものの、両者とも良い初手を手に入れた。マンフィールドは《巻きつき蛇》から《光袖会の収集者》と展開すると、続けて《歩行バリスタ》を2体展開し、メイナードが持つ《聖なる猫》と《機知の勇者》を焼き払った。だがメイナードは5ターン目に《復元》を放って《王神の贈り物》を手に入れ、単に体勢を立て直す以上の優位を得た。

 しかし盤面を大いに支える《発明の天使》が不在のため、メイナードは《歩行バリスタ》への耐性が弱っていた。2体のうち1体が最後の+1/+1カウンターを消費して《聖なる猫》を打ち倒すと、これで《致命的な一押し》の「紛争」が達成され、マンフィールドは《機知の勇者》も取り去ることに成功した。《巻きつき蛇》と《光袖会の収集者》による攻撃を通すことができたのだ。

 だが続くターン、メイナードは《巧みな軍略》で墓地へ送った《発明の天使》を《王神の贈り物》で戦場へ繰り出した。本体は《ヴラスカの侮辱》を受けて退場したものの、霊気装置を盤面に残しつつ《排斥》でマンフィールドの《巻きつき蛇》を追放した。マンフィールドは《ならず者の精製屋》で盤面を立て直そうと試みたが、2枚目の《発明の天使》が戦場に舞い降りると圧力は一気に強くなった。ドロー・ステップを迎えても解答は引き込めず、決勝戦は第2ゲームへ移っていった。

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第1ゲームを制し、この試合のリードを得るパスカル・メイナード。

 第2ゲームではメイナードがマリガンを喫し、マンフィールドは《巻きつき蛇》から《ならず者の精製屋》と展開した。メイナードの《聖なる猫》が攻勢を鈍らせたが、マンフィールドは2枚目の《巻きつき蛇》から《歩行バリスタ》へつなぎ、《王神の贈り物》を見つけられなかった《機知の勇者》を墓地へ送った。

 マンフィールドが繰り出す速いクロックを前に、メイナードはチャンプ・ブロッカーを差し出すことしかできず、世界選手権2015王者が作り上げた軍勢はメイナードのライフを残り5点まで追い詰めた。最後のドローを確認したメイナードはカードを片付け、両者は1勝1敗でサイドボード後の戦いに挑むことになった。

 第3ゲーム、マンフィールドは再びマリガンを強いられ、メイナードは《選択》2枚と《アズカンタの探索》という手札を信じて土地1枚でキープした。大事な2枚目の土地を引き込めば、《アズカンタの探索》が彼のドローを整えてくれるだろう。しかしマンフィールドの手札から繰り出された《強迫》によって、その《アズカンタの探索》は露と消えた。

 メイナードは《選択》を2枚とも使うことになったものの2枚目の土地を引き込み、一方のマンフィールドも3ターン目にようやく《光袖会の収集者》を繰り出した。メイナードの《査問長官》が《賞罰の天使》と《発明の天使》を墓地へ送り、彼は続けて《博覧会場の警備員》で《光袖会の収集者》を退場させた。

 だがそれは長く続かず、マンフィールドは《人質取り》で《博覧会場の警備員》を追放して《光袖会の収集者》を盤面に戻した。メイナードが繰り出した《賞罰の天使》は再び盤面をひっくり返す恐れがあったが、マンフィールドは《顕在的防御》を放ち盤面を維持した。

 その後マンフィールドが《人質取り》で奪った《博覧会場の警備員》を唱えて《賞罰の天使》を追放すると、世にも珍しい盤面ができあがった。マンフィールドは戦闘後にメイナードの墓地の《賞罰の天使》を《貪る死肉あさり》で追放し、メイナードはいよいよ壁際に追い込まれた。だが完璧な解答となる《排斥》を引き込んだ彼は、《博覧会場の警備員》を追放して《賞罰の天使》を取り戻し、再び《光袖会の収集者》を退場させることに成功したのだった。

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強力な盤面を築き上げたセス・マンフィールドだが、パスカル・メイナードが放った《排斥》は恐るべき一手だった。

 それでもマンフィールドは2枚目の《人質取り》で傾いた天秤を揺り戻し、大きく育った《歩行バリスタ》を含め全軍で攻撃した。この攻撃でメイナードのライフは残り3点となり、続くターンにこのゲームは閉幕を迎えた。マンフィールドが2勝1敗で勝ち越し、両者は4ゲーム目へ突入した。

 決着の可能性がある第4ゲームも、マンフィールドは《巻きつき蛇》から展開を始めた。だがそれは、メイナードの《博覧会場の警備員》に封じ込められる。それでも《貪る死肉あさり》によってマンフィールドはメイナードの墓地へ干渉しながらダメージを与えることができ、状況を一変させ得る《領事の旗艦、スカイソブリン》も《強迫》で抜き去ることができた。マンフィールドの攻撃でメイナードの残りライフは6点となったが、ここでメイナードが5枚目の土地を引き込み《発明の天使》を着地させると、どこか華がなかった彼の軍勢は瞬く間に恐るべき戦闘部隊に変わった。

 しかし全体強化を持っているのはメイナードだけではない。マンフィールドは《ピーマの改革派、リシュカー》を繰り出し、《巻きつき蛇》と《貪る死肉あさり》に+1/+1カウンターを2個ずつ置いた。だがそれでも、メイナードが築き上げ《発明の天使》が強化する8体のクリーチャーを前にしては、そのままターンを返すしかなかった。

 盤面は膠着し、両プレイヤーともこの状況を打破するすべを探した。そして先に見出したのはメイナードだった。彼は《王神の贈り物》を墓地へ送り、《復元》で戦場へ戻した。マンフィールドは手札に《人工物への興味》を残しており、メイナードのデッキ名を冠する切り札に完璧に対応してみせた。

 しかしメイナードのライブラリー・トップには2枚目の《王神の贈り物》が控えていた。彼は7マナでそれを繰り出すと、墓地から《発明の天使》を復活させ、一気に勝負を決めたのだった。

 こうして、両者の戦いは最終第5ゲームへたどり着いた――メイナードはまず、そのことを確認する。

「これで2-2、だよね?」と、自信なさげに尋ねるメイナード。

 その通りだ。次の1ゲームにすべてが集約する。プロツアー常連、トップ8も複数回経験したこの両者は、ハイタッチをひとつ交わして決着の一戦に臨んだ。

 マンフィールドは《霊気との調和》から《光袖会の収集者》で開幕を飾り、3ターン目に追加のドローを得た。2枚目の《光袖会の収集者》を戦線に加えると、彼は早速攻撃を始める。早くもメイナードのライフを14点に落としたマンフィールドだが、4枚目の土地を引き込めず止まった。それでも《貪る死肉あさり》を盤面に追加して《聖なる猫》を追放し、攻勢を崩さない。

 メイナードは《排斥》で《貪る死肉あさり》を対処したものの、次のターンに放とうとしていた《燻蒸》を《強迫》で抜かれてしまった。続く攻撃でメイナードの残りライフは10点となり、マンフィールドは《異臭の池》を手に入れてマナも伸ばすことができた。彼は次のターンに《巻きつき蛇》と《歩行バリスタ》を展開し《機知の勇者》を除去すると、《光袖会の収集者》による攻撃をさらに加えた。

 残りライフが危険域に入ったメイナードは、必死に解答を探した。《機知の勇者》で《博覧会場の警備員》を引き込み《巻きつき蛇》を追放した彼だったが、マンフィールドが繰り出した全軍攻撃と《顕在的防御》は、ぴったり致命打だった。

 だが実際の決着はそこまで至らなかった。マンフィールドの手札から《顕在的防御》が繰り出されたのを見るなり、メイナードはヘッドセットを外した。メイナードは立ち上がり、テーブルを迂回してマンフィールドのもとへ向かうと、彼を力強く抱きしめた。プロツアー『イクサラン』王者の誕生を祝う熱い抱擁だった。

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プロツアー『イクサラン』王者は、パスカル・メイナードを3勝2敗で下したセス・マンフィールド!

Seth Manfield - 「スゥルタイ・エネルギー」
プロツアー『イクサラン』 優勝 / スタンダード (2017年11月3~5日)
2 《沼》
4 《森》
1 《島》
4 《花盛りの湿地》
2 《異臭の池》
4 《植物の聖域》
4 《霊気拠点》

-土地(21)-

4 《光袖会の収集者》
4 《牙長獣の仔》
4 《巻きつき蛇》
3 《歩行バリスタ》
4 《ならず者の精製屋》
2 《ピーマの改革派、リシュカー》
3 《人質取り》
1 《スカラベの神》

-クリーチャー(25)-
4 《霊気との調和》
4 《顕在的防御》
4 《致命的な一押し》
2 《ヴラスカの侮辱》

-呪文(14)-
3 《貪る死肉あさり》
1 《スカラベの神》
3 《強迫》
2 《短命》
2 《否認》
1 《本質の散乱》
1 《人工物への興味》
2 《自然に仕える者、ニッサ》

-サイドボード(15)-
Pascal Maynard - 「白青・王神の贈り物」
プロツアー『イクサラン』 準優勝 / スタンダード (2017年11月3~5日)
7 《島》
6 《平地》
4 《氷河の城砦》
3 《灌漑農地》
2 《イプヌの細流》

-土地(22)-

4 《査問長官》
4 《聖なる猫》
4 《機知の勇者》
4 《発明の天使》

-クリーチャー(16)-
2 《選択》
4 《航路の作成》
4 《巧みな軍略》
2 《アズカンタの探索》
4 《復元》
2 《排斥》
4 《王神の贈り物》

-呪文(22)-
4 《博覧会場の警備員》
3 《賞罰の天使》
1 《領事の権限》
2 《ジェイスの敗北》
2 《否認》
1 《燻蒸》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》
1 《敵意ある砂漠》

-サイドボード(15)-

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