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第1回戦:歴史的第一歩Raphael Levy(フランス) vs. Juliano Souza(ブラジル)

第1回戦:歴史的第一歩Raphael Levy(フランス) vs. Juliano Souza(ブラジル)

Blake Rasmussen / Tr. Yusuke Yoshikawa

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 これは、そこに存在するという理由だけでひとつの歴史的マッチだ。まさに最初のワールド・マジック・カップの、最初のラウンドの、最初のテキストカバレージだ。いつか、マーク・ローズウォーターのマジック・トリビア・ショーで投げかけられる質問のひとつになるだろう。戦ったのは誰か?

 この質問の答えは、殿堂顕彰者であるラファエル・レヴィ/Raphael Levy 対、屈強なブラジル人フリアノ・ソウザ/Juliano Souza だ。この最初のマッチを勝ったのは誰かという質問については・・・まあ、我々はここで答えを見出すだろう。


フリアノ・ソウザとラファエル・レヴィが、最初のワールド・マジック・カップの最初のラウンドで対峙する。

 フリアノ・ソウザはブラジルの外では知られた名前ではないかもしれないが、そうしたことはまさにワールド・マジック・カップの何たるか、だ。レヴィとソウザには生涯プロポイントにおいて隔たりがあるものの(この点においては、ほとんどのプレイヤーとレヴィの間には生涯プロポイントで大差があるが)、実際には、ソウザは会場のどんなプレイヤーよりも、マジック基本セット2013リミテッドの高水準の経験を積んでいると言えるかもしれない。先月には、グランプリ・サンパウロで8位と同勝ち点の9位に入賞している。

 ソウザはブラジルでは大変尊敬されるプレイヤーで、広く国内では最高水準のプレイヤーとして認識されている。ワールド・マジック・カップ予選をくぐり抜けてたどり着いたスポットライトの下で、この週末、自身の輝かしい能力を知らしめようとしている。もし、パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサに率いられたブラジル・チームが、この週末を騒がせる存在になるとしたら、ソウザはチームの成功にとって鍵を握る人物になることだろう。

 レヴィは、もうひとつのワールド・マジック・カップ出場の過程を見事に象徴する存在だ。以前は、国別選手権で十分な成績を残せない限り、その国のベスト・プレイヤーであっても代表チームから外れることになってしまっていた。しかし各国のトップ・プロが自動的に選出されることにより、レヴィのようなスターがマジックの最も輝かしいチーム・トーナメントで輝きを見せる機会が常にあるようになったのだ。

 レヴィはいくらかの火力にバックアップされた大きく効率的なクリーチャーを用いる、速い赤緑デッキを駆っている。一方のソウザは、大量の除去とゲームを速やかに決めることができる爆弾カードを数枚擁する、気の利いた黒赤デッキを手にしていた。いずれにせよ、さきのトリビアの答えは比較的すぐ得られそうだった。

ゲーム1

 マリガンによって6枚になったところで、レヴィが《森林群れの狼/Timberpack Wolf(M13)》から口火を切ることは止められなかった。しかし、それはソウザの黒赤デッキの《巨大蠍/Giant Scorpion(M13)》に速やかに阻まれる。レヴィは《とげのベイロス/Spiked Baloth(M13)》により大きさで上を行こうとするが、ソウザは《リリアナの影/Liliana's Shade(M13)》で盤面をより複雑にして、ペースを握り続けていく。

 《とげのベイロス/Spiked Baloth(M13)》は次のターン攻撃し、《巨大蠍/Giant Scorpion(M13)》と交換になった。しかし、ソウザはこの厄介な1/3の2枚目をキャストする。

 今度はレヴィが長期戦の計画を考え始める番になった。《咆哮するプリマドックス/Roaring Primadox(M13)》、続いて《ガラクの群れ率い/Garruk's Packleader(M13)》と出し、レヴィにドローエンジンを与え、このまま妨害されないようなら運転席に乗り込むことを示威した。

 それはしょせん計画に過ぎなかった。ソウザは対処ができていた。彼は《ガラクの群れ率い/Garruk's Packleader(M13)》を《殺害/Murder(M13)》すると、都合のより悪いことにいまや《咆哮するプリマドックス/Roaring Primadox(M13)》自身を戻さざるを得なくなったレヴィに対し、ソウザは《ガラクの群れ率い/Garruk's Packleader(M13)》を《墓場からの復活/Rise from the Grave(M13)》でリアニメイトし裏切らせ、《血狩りコウモリ/Bloodhunter Bat(M13)》を戦線に加えた。

 しかしレヴィは何が何でも手仕舞いにしてしまうわけにはいかない。《森林群れの狼/Timberpack Wolf(M13)》と《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist(M12)》を再びキャストすると、ソウザがタップアウトしているうちに《捕食/Prey Upon(M13)》で《リリアナの影/Liliana's Shade(M13)》を排除した。これで続くターンに《咆哮するプリマドックス/Roaring Primadox(M13)》を再びキャストできるようになり、さらに《命取りの出家蜘蛛/Deadly Recluse(M13)》を続けた。


チーム・フランスのキャプテン、ラファエル・レヴィはスポットライトの下で見慣れた顔だが、第1回戦にしてプレッシャーの下にさらされた。

 ソウザは攻撃的に立ち向かい、《ガラクの群れ率い/Garruk's Packleader(M13)》と《血狩りコウモリ/Bloodhunter Bat(M13)》で攻撃すると、《咆哮するプリマドックス/Roaring Primadox(M13)》と《命取りの出家蜘蛛/Deadly Recluse(M13)》という分のいいブロックを引き出した。《森林群れの狼/Timberpack Wolf(M13)》に宣せられた《公開処刑/Public Execution(M13)》が戦闘を極めてソウザ有利に運ぶかと思われたが、《剛力化/Titanic Growth(M13)》が《命取りの出家蜘蛛/Deadly Recluse(M13)》を生き残らせ、これは次のターンに《ガラクの群れ率い/Garruk's Packleader(M13)》と交換になった。

 ソウザは《血の署名/Sign in Blood(M13)》で補充すると、そこに《リリアナの影/Liliana's Shade(M13)》と《クレンコの命令/Krenko's Command(M13)》を見つけた。レヴィはそのトークンのために自らのプロプレイヤー・カードを2枚快く貸し出し、これでラファエル・レヴィがラファエル・レヴィを攻撃するという奇妙な状況が現れた。

 レヴィにはマナこそ自由に使えるものの、抗う手段は全くなく、《リリアナの影/Liliana's Shade(M13)》による2回の攻撃と致命的な《溶岩噴火/Volcanic Geyser(M13)》がソウザに殿堂顕彰者からの1ゲームをもたらした。

ソウザ 1-0 レヴィ

ゲーム2

 このゲームも、レヴィは盤面で先を取った。比喩的にも、文字通りにも、である。つまり、彼の《クレンコの命令/Krenko's Command(M13)》が2枚のラファエル・レヴィ・プロプレイヤー・カードを盤面に置いたのだ。彼は1/1の隊列を《エルフの幻想家/Elvish Visionary(M13)》で続け、さらに《森林群れの狼/Timberpack Wolf(M13)》《命取りの出家蜘蛛/Deadly Recluse(M13)》で小さなクリーチャーの奇妙な一団を完成させた。

 ソウザは《任務に縛られた死者/Duty-Bound Dead(M13)》でしばしの守りを得た。パワー1の軍団に対しては有効だ。そして《かき回すゴブリン/Rummaging Goblin(M13)》でデッキを掘り始めた。

 奇妙なことに、《かき回すゴブリン/Rummaging Goblin(M13)》で捨てられた中に《ひどい荒廃/Crippling Blight(M13)》があったのにもかかわらず、ソウザは第4ターンに何もせず、《森林群れの狼/Timberpack Wolf(M13)》が攻撃してきたところで《任務に縛られた死者/Duty-Bound Dead(M13)》でブロックし、再生するのみだった。

 《血狩りコウモリ/Bloodhunter Bat(M13)》が戦場に一旦停止をもたらしたが、ブロック時に《剛力化/Titanic Growth(M13)》の前に倒れた。ソウザが1ターン何もプレイしなかった、その理由は彼が見せた切り札によって明らかになった。《溶岩震/Magmaquake(M13)》だ。


フリアノ・ソウザはM13リミテッドで行なわれたグランプリ・サンパウロでわずかの差で敗れたが、今日は強力な黒赤デッキが助けになりそうだ。

 X=3の《溶岩震/Magmaquake(M13)》が盤面を一掃し、ソウザはライフ12を残して自由に、制限なく動けるようになった。2枚の《リリアナの影/Liliana's Shade(M13)》、《血の署名/Sign in Blood(M13)》、《松明の悪鬼/Torch Fiend(M13)》、2枚目の《かき回すゴブリン/Rummaging Goblin(M13)》が《溶岩震/Magmaquake(M13)》の後に現れ、ソウザは一掃呪文の前に溜めた戦力で明確に猛攻撃を開始した。

 しかしレヴィは引き下がることはせず、唯一できることとして、徹底的になぎ払われた地面に《とげのベイロス/Spiked Baloth(M13)》を出す。

 それでも、ソウザはまだライフ10で、おそらく十分であった。しかし《とげのベイロス/Spiked Baloth(M13)》が《帆凧/Kitesail(M13)》によって空を飛ぶと、好都合なことにパワーは5になり、レヴィは突如として致命的な盤面を作り上げた。

 ソウザは8点分の反撃を与え、レヴィのライフを4に落とすと、6枚の土地をアンタップ状態で残し、空飛ぶ《とげのベイロス/Spiked Baloth(M13)》を威圧した。

「ふーん、何が起こるんだろうな」レヴィは言うと、マナがオープンな状態で待つ相手を攻撃した。予期していたとおり、《公開処刑/Public Execution(M13)》を受ける。

 クリーチャーもなく、相手の4体の攻撃陣に直面し、状況はレヴィにとって非常に厳しいと思われたが、彼は長く待ち望んでいた5枚目の土地を置くと、《チャンドラの憤怒/Chandra's Fury(M13)》を唱えた。

 オープンな《沼/Swamp(ROE)》がない状況で、M13の目玉のひとつとして印象的なその赤の火力呪文はソウザの軍勢を一掃し、そのライフをわずか1まで落とした。

 しかしレヴィ自身もライフ4しかなかった。そしてそれは、ソウザもまた持っていた《チャンドラの憤怒/Chandra's Fury(M13)》によってちょうど削り取られる値であった。そうして、為されつつあるカムバック・ストーリーは、唐突に終わりを迎えたのだった。

 試合を終えた後、レヴィは早い段階からずっと《チャンドラの憤怒/Chandra's Fury(M13)》を持っていたこと、もし5枚目の土地を1ターン早く引いていたなら盤面を一掃できていたことを明かした。代わりに引いたのは、と彼は手札を見せながら言った。彼のデッキでそれ以外に唯一の5マナ・カードだった、と。

ソウザ 2-0 レヴィ

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