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【観戦記事】 ステージ2第1回戦:突然の幕切れ ベラルーシ代表 vs. ハンガリー代表

【観戦記事】 ステージ2第1回戦:突然の幕切れ ベラルーシ代表 vs. ハンガリー代表

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Nate Price / Tr. Tetsuya Yabuki

2013年8月3日

原文はこちら

ベラルーシ代表 vs. ハンガリー代表(チーム共同デッキ構築・スタンダード)

 2日目ステージ1を苦闘の末くぐり抜けた、ハンガリー代表とベラルーシ代表。両チームがトップ8へ続く最後のステージにて激突し、チーム共同デッキ構築・スタンダードで争う。残り3ラウンドのために、グループ分けが貼り出される掲示板は最後のグループに上書きされ、そこにはこの先へ進むべく闘志を燃やすチームが載っている。この週末何度か述べてきたように、依然としてリーグ戦を抜けるチームを決定する大きな要素はシード順位だ。シード順位が低いチームは、高いチームと成績が並んだ場合トップ8進出の目が失われる、というリスクを背負っている。そのため、どのタイミングであれ勝つことが何よりも大切だ。グループ内でシード順位が最下位のチームにとっては、トップ8進出が確実となる3-0とその場に置いていかれる2-1とでは天と地ほどの差があるのだ。

 この試合については、ハンガリー代表が不本意にもグループ内最下位のシード順位で、ベラルーシ代表は2位とかなり好位置につけている。タイブレークによる決着まで持ち込まないために、タマーシュ・ナジ/Tamas Nagyとガボール・コチシュ/Gabor Kocsis率いるハンガリー代表は、この最終ステージの第一歩を力強く踏み出さなければならない。プレイヤーの熟練度については、ナジとコチシュを擁するハンガリー代表が、ここまで残ったチームの中でも高い水準を持っている。一方ベラルーシ代表は今大会中でも経験の浅いチームのひとつだ。しかし彼らはそれをものともせず、チェコ代表やスロバキア代表のようなチームを打ち破ってきたのだ。

アドリアン・コーブル/Adorjan Korbl(ジャンド・ミッドレンジ) vs. イハル・クリオンスキー/Ihar Klionski(グルール・アグロ)

 ハンガリーのアドリアン・コーブルとベラルーシのイハル・クリオンスキーによるこの一戦は、なぜ多くのプレイヤーたちが、この環境にあるアグレッシブなデッキを打ちのめすためにジャンド・ミッドレンジを好むのか、という疑問に完璧に答えるものだった。コーブルが《遥か見》の力を借りて、対アグロに最適な《高原の狩りの達人》を早い段階で用意すると、その後《ラクドスの復活》でクリオンスキーの手札をすべて取り去った。さらに《紅蓮の達人チャンドラ》を戦場に加えると、ゲームは不動のものとなった。コーブルは毎ターン2枚カードを得られるようになり、クリオンスキーを圧倒するまでアドバンテージを取り続けた。


ハンガリー・チームは、対戦相手であるベラルーシ・チームをシード順位2位の座から叩き落とし、このリーグ戦で優位を得ようとしている。

 第2ゲームも状況はクリオンスキーにとって良い方向へ向かわなかったものの、その中で彼は健闘を見せた。序盤に土地が2枚で止まりながらも、《山》を置くと《火打ち蹄の猪》を2体続けて送り出し、攻撃を始める。《スラーグ牙》と《高原の狩りの達人》によってクリオンスキーの攻撃は止められたが、コーブルが恐れていた通り5マナまでマナが伸びると、クリオンスキーは《士気溢れる徴集兵》を2枚連続で投入してコーブルのライフを2点まで追い詰めた。しかしその後、コーブルが《オリヴィア・ヴォルダーレン》を盤面に加えるとすぐさまマナ・クリーチャーを除去して、クリオンスキーが5マナ出せないように留めた。事なきを得たコーブルは《漁る軟泥》でライフを回復し、瀬戸際からの帰還を果たしたのだった。

ガボール・コチシュ(セレズニア・アグロ) vs. イェホル・ポルスチャク/Yehor Polschak(青白赤フラッシュ)

 ガボール・コチシュの操るセレズニア・アグロ・デッキは、イェホル・ポルスチャクの青白赤フラッシュのようなデッキを倒すために作られたのではないかと思える。《ワームの到来》から《復活の声》まで、このデッキにはフラッシュ・デッキの特長であるインスタント・タイミングと戦える手段が満載だ。

 第1ゲームは、まさにそれらのカードがポルスチャクを呑み込んだ。序盤の《ロクソドンの強打者》と《絡み根の霊》がポルスチャクのライフを削ぎとり、コチシュが《復活の声》を着地させるころには、ポルスチャクのライフはわずか6点になっていた。《至高の評決》が盤面を流したものの、エレメンタル・トークンが残る。その後《ロクソドンの強打者》とターンの終わりに繰り出された《ワームの到来》が、わずかに残ったポルスチャクのライフを根こそぎ持っていった。

 第2ゲームはやや一方的に、コチシュが恵まれない展開になった。唯一の土地である《平地》と《寺院の庭》を置くと、その後は3マナ域のカードを引き続け、《絡み根の霊》も唱えられない有様だ。ポルスチャクは《ボロスの反攻者》を2体戦場に投下し、一方コチシュは手札のカードを何も唱えられず、ただ座っているだけだった。

 第3ゲーム、手札の《ロクソドンの強打者》3枚と《絡み根の霊》、《銀刃の聖騎士》を次々と繰り出すと、コチシュが形勢を挽回できそうな展開になった。一度はポルスチャクが《至高の評決》で盤面を流したものの、ライフが心もとなく、《ロクソドンの強打者》1体でも数ターン後には殴りきられる状況だった。戦場に降り立つ《鷺群れのシガルダ》の姿を確認し、タップ・アウト状態のポルスチャクは打ちひしがれた。ところが、天使の襲撃に備えたそのとき......

エルヴィン・ホッス/Ervin Hosszu(青白赤フラッシュ) vs. パヴェル・ミアドズヴェドスキー/Pavel Miadzvedski(黒赤ゾンビ)

 ホッスとミアドズヴェドスキーの試合は、圧倒的なワンサイド・ゲームであっという間に終了した。

 かつて、黒赤ゾンビは青白赤フラッシュを含むすべてのデッキを打ち砕き、スタンダードで最も支配的なデッキだった。しかしこのときは、かつての再現とはならなかった。

 ミアドズヴェドスキーは《戦墓のグール》、《悪名の騎士》、《生命散らしのゾンビ》と手札を次々と展開するが、ホッスは《火柱》2枚に続く《至高の評決》で、そのすべてを順番に処理した。《ファルケンラスの貴種》がホッスをわずかにおびやかしたが、彼は《瞬唱の魔道士》から《火柱》のフラッシュバックでそれを退場させ、《雷口のヘルカイト》と《修復の天使》がミアドズヴェドスキーの息の根を止めた。


ベラルーシ・チームもここで立ち止まるわけにはいかない

 そして第2ゲーム、コチシュとポルスチャクの白熱したゲームを無粋にも断ち切ることになるこのゲームも、まるで勝負にならなかった。ホッスはサイドから入れた有効なカードを複数引き込み、このゲームを完全にコントロールした。《ロウクスの信仰癒し人》2体に制圧力の高い《イゼットの静電術師》という布陣でミアドズヴェドスキーのクリーチャーたちを潰し、ホッスのライフは手の届かないところまでいってしまった。

 試合後、試合に出るのではなくコーチ役をしているタマーシュ・ナジに、その決断について聞いてみた。すると彼は、アメリカ・チームのジョシュ・アター=レイトン/Josh Utter-Leytonと同じ答えを返したのだ。

「俺が一番経験あるプレイヤーだからだよ」とナジは言う。「全部の試合に手を差し伸べられるポジションにいたかった。ここなら、チーム全員にアドバイスができるからね。ここまでは上手くいってるよ」

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