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【観戦記事】 第7回戦:台湾代表 vs. スペイン代表

【観戦記事】 第7回戦:台湾代表 vs. スペイン代表

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Tobi Henke / Tr. Tetsuya Yabuki

2015年12月11日

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 初日最終戦の試合からは、スペイン代表と台湾代表の戦いをお送りしよう。開催国スペイン代表と初代ワールド・マジック・カップ優勝チーム台湾代表が当たったこの一戦には、多くのものがかかっている。両チームとも、ここまで3勝3敗。ここで負ければ敗退が決定し、逆に勝てば2日目へ進出できるのだ。

 このチーム共同デッキ構築・スタンダード部門において、両チームはそれぞれ「青緑エルドラージ・ランプ」や「エスパー・トークン」、そして青の要素を排した「先祖の結集」デッキといった、工夫を凝らしたデッキを持ち込んでいる。残るデッキは「エスパー・ドラゴン」と、それからお互いに「アタルカ・レッド」を擁している。

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台湾代表とスペイン代表の、初日突破をかけた戦い。果たして2日目へ進むのはどちらになるのか?

B席:ファン・ターチー/Huang Ta-Chi(青緑ランプ)vs. アントニオ・デル・モラル・レオン/Antonio Del Moral Leon(アブザン・ラリー)

 ファン・ターチーが《葉光らせ》から《ニッサの巡礼》と快調にマナを加速し、続けて《ニッサの復興》を放つと、5ターン目にして《精霊龍、ウギン》が降臨する!

 一方のスペイン代表キャプテン、プロツアー『運命再編』王者のアントニオ・デル・モラル・レオンも、《集合した中隊》の力を借りて盤面に《スゥルタイの使者》、《不気味な腸卜師》、《ナントゥーコの鞘虫》、《ズーラポートの殺し屋》、そして《地下墓地の選別者》2体と揃えており、決して悪くない。

 《精霊龍、ウギン》が「欠色」を持つクリーチャー以外を一掃しようとするのに対し、デル・モラル・レオンはそれらを《ナントゥーコの鞘虫》で生け贄に捧げて利益を絞り出した。大量の占術にドロー、そしてその後に続くライフ・ドレイン。デル・モラル・レオンはなおも3体のクリーチャーを盤面に残しながら、占術とドローで《先祖の結集》を引き込む。彼は2枚目の《ズーラポートの殺し屋》と2枚目の《ナントゥーコの鞘虫》、そして《捕らわれの宿主》で盤面を作り直した。

 《精霊龍、ウギン》が再び忠誠カウンターを減らし、生け贄の嵐が巻き起こる。ここでファンは《時を越えた探索》から《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を引き込むと、デル・モラル・レオンの《平地》と《梢の眺望》を追放し、頼みの綱となる白マナ源を残りひとつ、《平地》1枚のみという状況に持っていった。

 デル・モラル・レオンの最後のドローは《先祖の結集》で、手札には《吹きさらしの荒野》もあった。しかし《梢の眺望》をアンタップ・インできず、そのままターンを返さざるを得ない。すると、2枚目の《絶え間ない飢餓、ウラモグ》がこのゲームの勝敗を決めたのだった。

 デル・モラル・レオンは2ゲーム目、《捕らわれの宿主》と《ナントゥーコの鞘虫》で攻勢をかけた。《集合した中隊》は《払拭》を受けたものの、その攻勢は緩まない。2枚目の《集合した中隊》が《ズーラポートの殺し屋》を2枚戦場へ送り込み、続く《先祖の結集》でフィニッシュ。ファンはこのゲームでも早い段階で《精霊龍、ウギン》を繰り出していたにも関わらず、敗北を喫したのだった。

 3ゲーム目、ファンは最初の3ターンは《森》を置くのみという遅めの手札をキープ。3ターン目に《ニッサの巡礼》を唱え、もう1枚《森》を加えた。このゲームで彼がゲームへ干渉したのは、これまでと比べてずっと小振りな《囁きの森の精霊》だった。

 一方、デル・モラル・レオンは《エルフの幻想家》と《ナントゥーコの鞘虫》と立ち上がりを進めたものの、コンボ・パーツを揃えるのに苦労する。ファンの《囁きの森の精霊》を前に、攻勢に出ることもできない。さらに厳しいことに、《囁きの森の精霊》が生み出す「予示」クリーチャーにより、《肉袋の匪賊》もまったく効かなかった。

 しまいには《絶え間ない飢餓、ウラモグ》がデル・モラル・レオンの黒マナ源をすべて追放し、この状況を土地4枚で巻き返すことは叶わなかった......

ファン・ターチー 2-1 アントニオ・デル・モラル・レオン

A席:ファン・ハオシャン/Huang Hao-Shan(アタルカ・レッド)vs. アルフレッド・ロドリゲス・フェルナンデス/Alfredo Rodriguez Fernandez(エスパー・ドラゴン)

 《僧院の速槍》と《稲妻の狂戦士》がどちらも《絹包み》を受け、ファン・ハオシャンは序盤の鍵を握る攻撃手を失うことになった。それでも《ケラル砦の修道院長》2枚で勇敢に戦いを続ける彼だが、フェルナンデスに十分な時間を与えてしまう。フェルナンデスの動きは、《ヴリンの神童、ジェイス》から《忌呪の発動》、《龍王オジュタイ》という、疑いようもなく強力なものだった。

 しかしこのマッチアップでは、まったく逆の結果になることもある。ファンは2ゲーム目に、それを証明した。《鐘突きのズルゴ》から《僧院の速槍》、《ケラル砦の修道院長》と滑らかに展開を続けて基盤を固めると、《軍族童の突発》から《アタルカの命令》でこのゲームを仕上げたのだった。

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ゴールド・レベル・プロのファン・ハオシャンは、アルフレッド・ロドリゲス・フェルナンデスを相手に厳しい戦いを続ける

 最終ゲーム、ファンは《僧院の速槍》から《ドラゴンの餌》、続けて《軍族童の突発》という、ほぼ完璧な初手に恵まれた。だがしかし、彼はすぐに知ることになる。「エスパー・ドラゴン」というデッキが完璧なタイミングで完璧な解答を合わせれば、「アタルカ・レッド」の完璧な動きをも打破し得るということに。

 《アラシンの僧侶》から始まり、《強迫》で《アタルカの命令》を抜き去り、続けて《黄金牙、タシグル》を盤面へ。さらにファンが《タイタンの力》で《黄金牙、タシグル》を倒そうとしたところへ《正義のうねり》を撃ち込むと、続けて《龍王オジュタイ》を公開しながらの《忌呪の発動》、そして《龍王オジュタイ》を展開。その上《アラシンの僧侶》がもう2枚続いた。

 ただ驚くしかない。この上ないデッキにこの上ない動きが噛み合った瞬間であった。

ファン・ハオシャン 1-2 アルフレッド・ロドリゲス・フェルナンデス

C席:チェン・リャン/Chen Liang(エスパー・トークン)vs. ダニエル・ヴィンセント/Daniel Vincente(アタルカ・レッド)

 この週末、幾度となく繰り返された光景――「アタルカ・レッド」を使うプレイヤーが、クリーチャーを盤面に残せない。ダニエル・ヴィンセントの繰り出した《鐘突きのズルゴ》は《残忍な切断》で細切れにされ、彼はその後クリーチャーを追加することができなかった。ヴィンセントもまた、チェン・リャンの繰り出したクリーチャーに対処するものの、根本的な解決にはならない。

 チェンが《強迫》を撃ち込むと、ヴィンセントの手札には《強大化》と《ティムールの激闘》のコンボがクリーチャーの訪れを待っていた。もちろん、結果としてクリーチャーは訪れる。しかしそのときには、ヴィンセントは《束縛なきテレパス、ジェイス》と《搭載歩行機械》と対峙しており、それら2枚は無情にも着々とヴィンセントを追い詰め、ゲームを奪っていったのだった。

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ここで負ければ敗退。ダニエル・ヴィンセントとスペイン代表は、生き残るために勝利を重ねなければならない。

 2ゲーム目、ヴィンセントは1ターン目《僧院の速槍》から始めるが、チェンは《強迫》を差し向けてきた。対戦相手の手札が土地3枚と《焦熱の衝動》、《乱撃斬》であることを確認した彼は、《乱撃斬》を墓地へ送る。さらに《絹包み》で《僧院の速槍》を除去すると、ヴィンセントは再び盤面を完全に失った。こうなっては、決着も早いように思われた。チェンが《龍王オジュタイ》を着地させると、その可能性が高まる。

 しかしヴィンセントは、《引き裂く流弾》と《軍族童の突発》2枚でなんとか体勢を立て直した。それでも《アラシンの僧侶》が立ちはだかり、思うように攻勢に出られない。チェンの盤面に《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》が降り立つと、再びゲームは終わりを告げるように思われた。

 だがヴィンセントは《アタルカの命令》でプレインズウォーカーを退場させ、天秤を再び戻した。そこへ繰り出される2枚目の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》! それでもまだ、ヴィンセントは《ケラル砦の修道院長》と《乱撃斬》でそれを追い返すことに成功する。

 しかしその後、チェンが《宝船の巡航》を唱えるとまたもや天秤は彼の側に傾いた。今度こそ彼はこのゲームを勝ち取り――同時にチームの勝利を決定づけたのだった。

台湾代表 2-1 スペイン代表

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