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【観戦記事】 準々決勝:フランス代表 vs. 日本代表

【観戦記事】 準々決勝:フランス代表 vs. 日本代表

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Neale Talbot / Tr. Tetsuya Yabuki

2015年12月13日

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 予選1位のフランス代表と予選8位の日本代表が、フィーチャー・マッチ・エリアで対峙する。今年の日本代表は今大会屈指の強力なチームであり、彼らはこれまで悩まされてきた「2日目に進出できない」という呪縛を打ち破っただけでなく、そのジンクスを完全に破壊した。世界最高のプレイヤーのひとりに名を連ねる渡辺 雄也が率いる日本代表は、他に津村 健志と玉田 遼一という実績十分なプレイヤーも擁し、また比較的新しいプレイヤーである楊 塑予も活躍を見せている。彼らの戦績を合わせると、実にプロツアー・トップ8入賞10回にグランプリ・トップ8入賞38回を数えるのだ。一方、彼らの前に立ちはだかるフランス代表は全員がワールド・マジック・カップ初出場だが、キャプテンのピエール・ダジャン/Pierre Dagenとチームメイトのアーノード・ソメ/Arnaud Soumetはプロツアーの舞台を知るプレイヤーであり、そこへイシェム・テディデティ/Hichem Tedjditiとファティ・ベン・アリビ/Fathi Ben Aribiのフレッシュな顔ぶれが加わっている。

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ワールド・マジック・カップ優勝のタイトルを再び獲得すべく進むフランス代表と、ワールド・マジック・カップの呪縛を打ち破った日本代表の一戦

 予選順位で上回るフランス代表が、先攻を選んだ。

C席:イシェム・テディデティ(アタルカ・レッド)vs. 津村 健志(アブザン・ラリー)

 テディデティが《稲妻の狂戦士》で先手を打ち、そこへすぐに《ケラル砦の修道院長》を続けた。津村は《捕らわれの宿主》と《エルフの幻想家》で序盤からブロッカーを用意する。プレッシャーをかけたいテディデティだが、津村はそこへ《集合した中隊》を唱え、《ズーラポートの殺し屋》と《ナントゥーコの鞘虫》を戦場へ繰り出した。テディデティはクリーチャーを増やせず、対する津村はさらにブロッカーを増やしていく。そして盤面が膠着すると津村の手札から《先祖の結集》が放たれ、《ズーラポートの殺し屋》2枚が戦場に戻るとそれがゲームの決め手となったのだった。

 2ゲーム目、テディデティは1ターン目《鐘突きのズルゴ》から2ターン目《ドラゴンの餌》。津村はサイド・インした《前線の僧侶》でゲームを始める。テディデティは続けて《僧院の速槍》を繰り出して攻撃に出ると、《アタルカの命令》で盤面を維持しつつ津村の《前線の僧侶》を討ち取った。津村がタップ・アウトで《地下墓地の選別者》と末裔・トークンを展開すると、テディデティはここが全力攻撃のチャンスだと見た。ブロック指定が終わると、彼は《強大化》と《ティムールの激闘》のコンボを解き放ち、津村はカードを片付けることになった。

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迎え撃つ殿堂顕彰者、津村 健志

 3ゲーム目はテディデティがマリガンを喫し、その後の6枚もクリーチャーのない除去ハンドをキープ。津村の手札は潤沢だが、しかし2ターン目《前線の僧侶》展開後、土地が2枚で止まってしまう。《前線の僧侶》をすぐに《乱撃斬》で退けたテディデティは、トップ・デッキした《ドラゴンの餌》をプレイ。その後のドローも噛み合い、彼は津村のブロッカーを除去しながら《僧院の速槍》を複数体戦場へ送り込んでゆく。津村にとって絶望的なことに、《エルフの幻想家》によってドローを増やしても3枚目の土地は現れなかった。スタートにつまずきながらも、テディデティの赤の小型クリーチャーたちは津村を圧倒したのだった。

イシェム・テディデティ 2-1 津村 健志

B席:ピエール・ダジャン(マルドゥ・ミッドレンジ)vs. 楊 塑予(アタルカ・レッド)

 ダジャンが1ターン目の《強迫》で、楊の手札から《ティムールの激闘》を捨てさせた。これに対して楊は、1ターン目《僧院の速槍》で攻撃的なスタートを切る。ダジャンのデッキに1枚だけ採用されている《焦熱の衝動》がそれを焼き払うと、楊はタップ・アウトで《ケラル砦の修道院長》を繰り出した。両者は再びクリーチャーと除去の交換を行い、《ケラル砦の修道院長》が《はじける破滅》によって退場させられた。ダジャンは続けて、《道の探求者》で楊のゴブリン・トークンに対する防御を固める。その守りはゲームが進むにつれて強化され、ダジャンはついにドラゴンを「疾駆」で送りだすと楊のライフを喰らい尽くしたのだった。

 2ゲーム目は楊がやや遅めの立ち上がり。2ターン目に、ドラゴン満載の相手に《ドラゴンの餌》を差し出す。ダジャンは《魂火の大導師》と《道の探求者》で防御を固めようとするが、楊はそれを意に介さず、除去と強化でダメージを通していった。それでもダジャンは《光輝の炎》を引き込み、盤面を一掃することに成功する。

 楊は2枚目の《ドラゴンの餌》で盤面の再構築を始めた。ダジャンは《強迫》で《軍族童の突発》を取り去るものの、盤面にクリーチャーを用意できず、土地も3枚で止まっていた。楊はチームメイトと意見を交わし、ダジャンが2枚目の《光輝の炎》を引き込まないことに賭けて、《軍族童の突発》、《鐘突きのズルゴ》と全力で展開する決意を固めた。楊の全軍攻撃に対してダジャンは《マルドゥの魔除け》でブロッカーを生み出したが、楊の手札からは《強大化》が繰り出され、速やかにゲームは終わったのだった。

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前方に視線を送るプロツアー『テーロス』準優勝のピエール・ダジャン。見据える先は、2013年に友人たちが刻んだ成績だ。

 日本代表が1本取り返したが、勝負を3試合目に持ち込むにはもう1本勝たなければならない。フランス代表にとっても、あとはここを勝つだけで次へ進める。見たところ楊はやや遅めの手札をキープしており、1ターン目に《山》からカードが繰り出されることはなかったものの、2ターン目にダジャンが繰り出した《道の探求者》にはしっかり除去を合わせていく。そこから楊は《ドラゴンの餌》を2枚続けて唱えるが、《道の探求者》に続き《魂火の大導師》もダジャンの盤面に加わり、ゴブリンの軍勢は攻撃に出られなかった。

 ダジャンが《強迫》を撃ち込むと、楊はそれに対応してゴブリン1体に《タイタンの力》を唱えた。そして公開された楊の手札には、土地のみが並んでいた。ダジャンは果敢が誘発した《道の探求者》で攻撃に出て、先ほど強化されたゴブリンを相討ちに取りながらライフを確保した。ダジャンは続くターンを慎重に進め、楊が《強大化》と《ティムールの激闘》のコンボを引き込んだ場合に《残忍な切断》が撃てるよう、黒マナを立たせ続けた。だがその心配は杞憂に終わる。土地を引き続ける楊を後目に、ダジャンの《雷破の執政》が空からの攻撃で勝利を奪っていったのだった。

ピエール・ダジャン 2-1 楊 塑予
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「タイタンの戦い」を制したフランス代表が準決勝へ駒を進める。2度目のタイトル獲得まで、あとふたつ。

 この時点では、まだソメと渡辺による「エスパー・ドラゴン」の同型戦が残っていたが、その試合がどうなっても結果に影響はない。フランス代表が準決勝へ進出し、タイ代表と戦うことになる。

「10分前とは打って変わって晴れ晴れとした気分だ」 試合後、ダジャンは笑顔を見せた。「本当に厳しい戦いだった。『エスパー・ドラゴン』の同型戦は不安だったんだ。その戦いの鍵になる《強迫》をこちらは『エスパー・ドラゴン』と『マルドゥ』に散らしていたから、きっとアーノードはサイド後苦戦を強いられたと思う。他のふたつの試合で勝つ必要があった」

「次はタイ代表だね。リストを見た限りでは、相性は良いと思う。僕のデッキは『アタルカ・レッド』を倒せるように作ってあるし、エスパーの同型戦はアーノードがうまくやってくれるはずさ」

フランス代表が日本代表を2連勝で下し、準決勝へ!

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