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【観戦記事】 第5回戦:台湾代表 vs. ベルギー代表

【観戦記事】 第5回戦:台湾代表 vs. ベルギー代表

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Frank Karsten / Tr. Keiichi Kawazoe

2016年11月18日

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 第5回戦、ベルギーと台湾の両チームはそれぞれ4勝0敗で対峙することとなった。すでに土曜日の競技に進出するために必要と思われる4勝は確保していたが、彼らは上位16チームに入り翌日最初のラウンドでの不戦勝を得るために競っているのだ。

台湾代表

 台湾は記念すべき第1回目の、インディアナポリスで開催されたワールド・マジック・カップ2012で優勝して以来毎年参加している。今年は、グランプリトップ8に6回も進出し、プロツアーにも何度も参加している手練のプレイヤー、ファン・ハオシャン/Huang Hao-shanに率いられている。彼らのモダンデッキの選択は呪禁オーラ、ジャンド、そして感染だ。「香港、ニュージーランド、シンガポールのチームと練習してたんだ。元々はドレッジ、感染、あと何か、って考えてたんだけど」とファンは語った。

 「ただ、僕らは誰もドレッジを使い慣れてなかったんだ。あれはプレイングが難しいからね、サイドボード後とかは特に。で、その代わりに一人が使い慣れてたデッキを選んだんだ。」 唯一の問題は、彼らが使う3つのデッキが全て緑がらみであり、フェッチランドについて妥協が必要だということだったが、彼らは今回一番人気のあるデッキの一つである感染に対して有利な選択ができたと満足していた。「アブザンは感染相手に弱いからね。僕らの呪禁オーラは感染対策でサイドボードに《シルヴォクののけ者、メリーラ/Melira, Sylvok Outcast》を4枚取ってるんだ」

ベルギー代表

 一方のベルギー代表も、グランプリトップ8を含む数多くのハイレベルイベントでの経験が豊富な3名のプレイヤーを迎え入れた素晴らしい構成だった。内訳は、ピーター/Peter・パスカル/Pascalのフィーレン/Vieren兄弟、そして昨年キャプテンを務めたブランコ・ネランク/Branco Neirynckだ。この3人は偶然にも、今年早い段階で「グランプリ・ロッテルダムでチームを組もう」と決めていたのだった。そしてその後彼らが揃ってワールド・マジック・カップの資格を手に入れた時、それは良い兆候だと考えたのだった。4人目のメンバーは、グリセルシュートとして知られている《御霊の復讐/Goryo's Vengeance》デッキを長く使い続け、その熟練で称賛を受けているジェローム・バストーニュ/Jerome Bastogneだ。「彼のデッキはもう決まってるからね」とピーター・フィーレンは言った。「あとは他の2つを決めればよかったんだ。」

「本当は感染を使いたかったんだけど、そうなると残りで組めそうなのがアブザンだけで、僕はそれをあまり使いたくなかったんだ。」とブランコ・ネランクは言う。彼はナヤ・バーンを好み、それを使った。「これがモダンである以上、メタゲームで戦うのはやめたんだ。それよりも、好きなデッキを使う方がよっぽど有益さ。」

B席:ファン・ユン=ミン/Huang, Yung Ming(ジャンド) vs. ブランコ・ネランク/Branco Neirynck(ナヤ・バーン)

 第1ゲーム、ネランクは《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》と《ゴブリンの先達/Goblin Guide(ZEN)》で良いスタートを切った。これは、土地が1枚で止まり、かつクリーチャーが片方《稲妻/Lightning Bolt(PD2)》で失われてなお、多くのダメージを早期に叩き込めることを意味していた。ナランクにとって幸運な事に、彼はすぐに《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》を見つけ、《アタルカの命令/Atarka's Command(DTK)》、《裂け目の稲妻/Rift Bolt(TSP)》、《稲妻/Lightning Bolt(PD2)》、そして《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》と立て続けに撃ちこんでファンをマットに沈めた。

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ファン・ユン=ミン(左)はブランコ・ネランクと対峙している

 第2ゲーム、ナランコは《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》以外にクリーチャーのない手札をキープし、それはすぐ《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(CN2)》で捨てさせられることになった。しかし、最初のドロー・ステップですぐ《僧院の速槍/Monastery Swiftspear(KTK)》を引き直したが、ファンは苦笑いしながらこれを《終止/Terminate(ARB)》で対処した。数ターン後、ナランクの戦場にはダメージ源が無くなり、手札には《稲妻/Lightning Bolt(PD2)》と《焼尽の猛火/Searing Blaze(WWK)》だけという状況だ。この時点でまだファンのライフは10も残っていた。彼の《タルモゴイフ/Tarmogoyf(MMA)》を前に、ナランクは選択を迫られていた。すなわち、2枚の火力で《タルモゴイフ/Tarmogoyf(MMA)》を倒すかそれをファンに打ち込むか、だ。ナランクは前者を選び、さらなる火力を引くための時間を稼ごうとした。しかしそれは不十分で、ファンが《漁る軟泥/Scavenging Ooze(CMD)》を次のターンに引き当てると、ライフを安全圏まで脱出させた。

 第3ゲーム、ナランクは初ターン《野生のナカティル/Wild Nacatl(ALA)》から第2ターンの《ゴブリンの先達/Goblin Guide(ZEN)》、そしてファンの《タルモゴイフ/Tarmogoyf(MMA)》への《流刑への道/Path to Exile(CON)》へと、素晴らしい立ち上がりを見せた。これは、《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek(CN2)》があってなおだ! ファンのライフは彼の第2ターン終了時で13まで落ち込んでおり、ナランクはまだ《ボロスの魔除け/Boros Charm(GTC)》と《稲妻/Lightning Bolt(PD2)》2枚を手札に持っており、必要以上の点数であった。ファンに残された手はなかった。

ブランコ・ネランクが2-1でファン・ユン=ミンを下した!

C席:ファン・ハオシャン/Huang Hao-shan(感染) vs. ピーター・フィーレン/Peter Vieren(感染)

 このマッチは、お互いのコーチが後ろにつくことになった。フェン・レン/Feng Renはファン・ハオシャンの後ろにつき、パスカル・フィーレンはキャプテンと弟ピーターにアドバイスを送った。この兄弟は、「何時も僕らはお互いに激しくやり合うこともあるけど、別に揉めてるわけじゃないんだ」とマッチ後に語った。「僕らは兄弟だから、駄目なことがあってもお互い言いたいことを遠慮なく言い合えるしね」

 第1ゲーム、フィーレンはダイス・ロールで勝ち《貴族の教主/Noble Hierarch(MM2)》、《荒廃の工作員/Blighted Agent(NPH)》とつなげた。彼の手札はファンよりも早く、毒カウンター10個を与えたのだった。

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パスカル・フィーレン(後列左側)は弟ピーターにアドバイスし、その手札をファン・ハオシャンに公開させた。

 第2ゲーム、両プレイヤーは《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe(NPH)》で最初のターンをスタートし、全員に対してすべての情報が公開された。フィーレンは《貴族の教主/Noble Hierarch(MM2)》、《よじれた映像/Twisted Image(SOM)》、《ぎらつかせのエルフ/Glistener Elf(NPH)》、《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》、そして《森/Forest(AVR)》という手札をキープしていた。《呪文滑り/Spellskite(NPH)》《貴族の教主/Noble Hierarch(MM2)》への解答はあったが、強化呪文が不足していた。一方のファンは《繁殖池/Breeding Pool》、《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》、《荒廃の工作員/Blighted Agent(NPH)》、《変異原性の成長/Mutagenic Growth(MM2)》、そして2枚の《巨森の蔦/Vines of Vastwood(ZEN)》、《強大化/Become Immense(KTK)》という、ブロック不能な感染クリーチャーから第4ターンにも決められる非常に爆発的な手札だった。

 3ターン目、彼の《貴族の教主/Noble Hierarch(MM2)》を巡る面白い攻防があった。《よじれた映像/Twisted Image(SOM)》に対して《顕在的防御/Blossoming Defense(KLD)》を唱えたが、ファンはこれを《巨森の蔦/Vines of Vastwood(ZEN)》(そう、これが有効なのだ)で打ち消そうとした。ただ、残念なことにこのプレイはあまり意味がなかった――というのも、《強大化/Become Immense(KTK)》によって次の《荒廃の工作員/Blighted Agent(NPH)》の攻撃で倒せるところまで追い込むことができたからだ。

 この感染ミラーマッチは1-1で並んだが、ここでビデオマッチの試合が終わってチームの勝敗が決まってしまった。

A席:ハン・チンヤオ/Han Chin Yao(呪禁オーラ) vs. ジェローム・バストーニュ/Jerome Bastogne(グリセルシュート)

 第1ゲーム、ハンは《ぬめるボーグル/Slippery Bogle(EVN)》を唱え、第2ターンで《天上の鎧/Ethereal Armor(RTR)》と続けた。対戦相手が《夜明けの宝冠/Daybreak Coronet(MM2)》を唱える機会を得ないように、バストーニュは第2ターンで《捨て身の儀式/Desperate Ritual》から《神々の憤怒/Anger of the Gods(THS)》と動き、戦場を一掃した。ハンは次のクリーチャーを送り込むことができず、バストーニュにドロー呪文を唱える機会を与えてしまった。しかし、《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》が現れるまでは長くかからず、そこから《怨恨/Rancor(EMA)》《夜明けの宝冠/Daybreak Coronet(MM2)》と畳み掛けた。バストーニュは《世界棘のワーム/Worldspine Wurm(RTR)》を《裂け目の突破/Through the Breach》で出したが、9/7先制攻撃絆魂トランプルというクリーチャーに対処しなければならなかった。バストーニュがブロックした後で、ハンは《流刑への道/Path to Exile(CON)》を唱えトランプルでダメージを全て通した。

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ジェローム・バストーニュ(左)はベルギーチームの勝利を確定させるために、ハン・チンヤオとの戦いに挑んでいた

 第2ゲーム、ハンは《ぬめるボーグル/Slippery Bogle(EVN)》に《ハイエナの陰影/Hyena Umbra(ROE)》をつけた。《神々の憤怒/Anger of the Gods(THS)》はこのエンチャントと交換になり、その後《天上の鎧/Ethereal Armor(RTR)》と《夜明けの宝冠/Daybreak Coronet(MM2)》までがつけられた。これはバストーニュにとって不利に見えたが、次のターン彼は完璧な解答を見せた。《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(MMA)》をX=1で唱え、この呪禁クリーチャーとそこにつけられた大量のオーラを処理したのだった。数ターン後、《グリセルブランド/Griselbrand(AVR)》が戦場に現れ、バストーニュはそのコンボを回し始めた。まず《世界棘のワーム/Worldspine Wurm(RTR)》を追放して《滋養の群れ/Nourishing Shoal》でライフを確保し、それによって《グリセルブランド/Griselbrand(AVR)》でカードを引けるようにした。しかも、《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》からの《捨て身の儀式/Desperate Ritual》でこの《滋養の群れ/Nourishing Shoal》に《裂け目の突破/Through the Breach》を連繋させ、《怒れる腹音鳴らし/Borborygmos Enraged(GTC)》を出し、最終的に7枚の土地を投げつけて勝利を決めた。

 第3ゲーム、ハンは《ぬめるボーグル/Slippery Bogle(EVN)》に《ハイエナの陰影/Hyena Umbra(ROE)》と《怨恨/Rancor(EMA)》をつけ、さらに《御霊の復讐/Goryo's Vengeance》対策に《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt(TSB)》を出した。速く、打たれ強いクロックと対策カードのある良い初手ではあったが、ハンは第3ターンの動きを欠いていた――手札の残りは土地だったのだ。バストーニュは《流刑への道/Path to Exile(CON)》を少し恐れたが、チームメイトと話し合い、ベルギーチームは試合を決めに行くことを選択した。2枚の《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》を追放し、《裂け目の突破/Through the Breach》を唱え、《世界棘のワーム/Worldspine Wurm(RTR)》を出し、15点アタックを敢行した。ハンは《流刑への道/Path to Exile(CON)》を持っておらず、《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt(TSB)》もまた無力だった。ターン終了時には3体の5/5のワームが現れ、それはマッチの結果を決めるのに十分であった。

ジェローム・バストーニュが2-1でハン・チンヤオを下した。

 バストーニュとナランクが彼らのセットを取ったため、ベルギーチームがこのマッチに勝利し、ピーター・フィーレンとハオ・ハオシャンは第3ゲームを終わらせる必要がなくなった。

ベルギー代表が台湾代表に2-0で勝利し、5勝0敗となった!

 マッチ後、「さて、僕らは国歌を歌うべきかな?」と、トップ16確定を確信したパスカル・フィーレンはチームメイトに問いかけたのだった。

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