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【トピック】 ワールド・マジック・カップ2017「スピリット・アワード」受賞チーム

【トピック】 ワールド・マジック・カップ2017「スピリット・アワード」受賞チーム

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Corbin Hosler / Tr. Tetsuya Yabuki

2017年12月1日

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 ワールド・マジック・カップのようなイベントは他にない。もちろん世界中から最高のプレイヤーが集まるプロツアーも、マジック最強の24人によって行われる世界選手権も、レガシーからチーム・リミテッドまで多種多様なフォーマットで行われるグランプリも、それぞれ独自の色を持っているが、それでもワールド・マジック・カップは格別だ。

 それはなぜか。このイベントだけが、国を代表して戦うものだからだ。今年は国別選手権が復活し、ワールド・マジック・カップはマジックを通して国の名声を高めようと意気込むプレイヤーたちにとって最大の目標となっている。73の代表チームのうち、プロツアー常連のプレイヤーを擁するものの方が少ないという事実が、このイベントの大きな特徴なのだ。そんなワールド・マジック・カップならではの要素といえば、「スピリット・アワード」を置いて他にないだろう。これは、国の誇りを最も創造性あふれる形で表現したチームに贈られる栄誉だ。

 今年は3つのチームに「スピリット・アワード」が贈られた。どのチームも、「極めて競技志向の高いトーナメントの舞台だってこんなに楽しいんだ」ということを完璧に伝えてくれている。

スコットランド代表

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スコットランド代表
(左からダンカン・タン/Duncan Tang、ブラッドレイ・バークレイ/Bradley Barclay、ステファン・マリー/Stephen Murray)

「映画『ブレイブハート』の完全再現とまではいかなかったけど、80%くらいの出来と言っていいんじゃないかな」と、スコットランド伝統のキルトとジミー帽を身に着け、チームメイトとともに並ぶステファン・マリーは笑う。「これまでは対戦相手にどこの代表なのか聞かれたものだけど、今日はひと目でわかるよね」

 自由のために戦うスコットランドの民衆を描いた映画にちなんだ衣装で臨んだ今大会、スコットランド代表は瞬く間に3勝1敗の成績を残し、注目を集めた。

 キルトを身に着けるアイデア自体は、何年も前からあったという。それが実現するまでには少々時間がかかったものの、ワールド・マジック・カップ常連のマリーとブラッドレイ・バークレイのふたりにダンカン・タンが加わったスコットランド代表は、こうして「フル装備で」フランスへやって来たのだった。その結果は、言うまでもないだろう。

メキシコ代表

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ファートリに扮した「Nissa Cosplay」さんとともに並ぶメキシコ代表
(左からエマニュエル・ラミレス・サンチェス/Emmanuel Ramirez Sanchez、マルセリーノ・フリーマン/Marcelino Freeman、ホセ・ダニエル・ガルシア・ロサス/Jose Daniel Garcia Rosas)

 昨年もソンブレロとルチャリブレのマスクで「スピリット・アワード」を獲得したメキシコ代表は、積極的に国の誇りを表現している。今年の代表であるマルセリーノ・フリーマン、エマニュエル・ラミレス・サンチェス、ホセ・ダニエル・ガルシア・ロサスの3名は、マジックのフレイバーも取り入れた、昨年をも上回る完成度の衣装を仕上げてきた。

「ちょうど『イクサラン』がアステカの歴史をもとにしていたから、これを活かさない手はないなと思った」 偶然通りがかったファートリとともにポーズを決めて撮影を終えたフリーマンは、今回の衣装について説明する。「メキシコを表現する方法はたくさんあるけれど、今回はこれしかないって感じだったよ」

 彼らはこの会場中を――そしてきっと故郷の国も――大いに楽しませた。

「うん、メキシコに帰ったらみんなに笑われるだろうね。でも同時に、よくやったって言ってくれると思うよ」と、サンチェスがつけ加えるのだった。

ウェールズ代表

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ウェールズ代表
(左からアーロン・ボイハン/Aaron Boyhan、フィリップ・グリフィス/Philip Griffiths、 サム・ロルフ/Sam Rolph)

 自国を表現する方法を多く持つ国がある一方で、ウェールズはその点に苦戦していた。グレートブリテン島の南西に位置するこの小さな国の代表であるフィリップ・グリフィス、アーロン・ボイハン、サム・ロルフの3名は、自国を簡潔に表すものを見つけられないでいた。

「そこでフィリップが言ったんです。『国旗はどうかな?』って」とボイハンは振り返る。「そこからこの衣装が生まれました」

 こうしてアイデアを定めた3人は、全身をすっぽり覆うドラゴンの着ぐるみに入ってワールド・マジック・カップに挑み、「スピリット・アワード」獲得に至ったのだった。

「はっきり言って、我が人生最大の恥ずかしさでした。この格好で街を歩くと道行くフランス人たちが僕らを指して笑うんですけど、フランス語で何を言っているのかわからない。でも対戦相手がふざけた格好の僕らを甘く見たおかげで4連勝できたので、意味はあったかなと」

 たしかに恥ずかしそうだし、肌もチクチクしそうだし、暖かそうな衣装だ。それでもウェールズ代表がドラゴンを身にまとうことにしたのを、私たちは大いに歓迎する。彼らの姿こそワールド・マジック・カップが特別なイベントであることの証左であり、今大会の開幕にふさわしいものなのだから。

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