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Dech Tech: 田崎亮のリアニメイト

Dech Tech: 田崎亮のリアニメイト

by Shiro Wakayama


 イニストラード発売時に、フラッシュバックをはじめとして、墓地を活用したギミックをフィーチャーしたエキスパンションになると聞いて、誰しもがリアニメイトデッキや、レガシーでも猛威を振るうドレッジ(発掘)デッキのような、強力なデッキの出現を期待しただろう。

 だが、蓋を開けてみれば、イニストラード発売一か月後に行われたグランプリ・広島で結果を残したのは、白緑ビートダウン、青白人間ビートダウンといった、非常にオーソドックスなビートダウンデッキだった。

 前評判の高かった《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》系のデッキは1つとしてトップ8まで進むことができず、古えの頃、世界を席巻したデッキから名を引き継いだソーラーフレアは、Top8には1人しか送り込めずじまい。
 コントロールはできない。シンプルなビートダウンの時代が来たかと思われた。

 だが、コントロール好きなら、いつだって《審判の日/Day of Judgment》がないと安心できない。タイトなゲームをするよりも、超強力なフィニッシャーで盤面を圧倒したい。そんな願望を持つだろう。
 コントロールデッキ向かい風の中、《審判の日/Day of Judgment》を4枚積みつつ、盤面を圧倒するデッキを持ち込んだ男がいた。

 まずはレシピをご覧頂こう。

田崎 亮
世界選手権2011 / スタンダード
3 《島/Island》
4 《平地/Plains》
5 《沼/Swamp》
4 《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》
4 《金属海の沿岸/Seachrome Coast》
4 《闇滑りの岸/Darkslick Shores》

-土地(24)-

3 《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter(M12)》
3 《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
3 《核の占い師、ジン=ギタクシアス》

-クリーチャー(9)-
4 《太陽の宝球/Sphere of the Suns》
4 《思案/Ponder》
1 《ゾンビの横行/Zombie Infestation(M12)》
4 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》
2 《忘却の輪/Oblivion Ring》
4 《審判の日/Day of Judgment》
4 《堀葬の儀式/Unburial Rites》
4 《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》

-呪文(27)-
4 《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher(M12)》
1 《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
1 《囁く者、シェオルドレッド/Sheoldred, Whispering One》
1 《核の占い師、ジン=ギタクシアス》
2 《外科的摘出/Surgical Extraction》
1 《四肢切断/Dismember》
3 《機を見た援軍/Timely Reinforcements(M12)》
2 《流転の護符/Quicksilver Amulet(M12)》

-サイドボード(15)-


―― 禍々しいデッキリストですね。なぜこんなデッキができあがったんですか?

田崎 「白緑や白青のビートダウンに勝つために、《審判の日/Day of Judgment》を4枚積めるデッキを使いたいと思ったんです。ただ、ソーラーフレアは除去耐性が低い《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》や、たまに盤面にあまり影響を与えない《太陽のタイタン/Sun Titan》など、強いときは強いですが、頼りない時もあるフィニッシャーが弱さを出して勝ちきれないこともあったので、他の方法を模索しました。」

―― なるほど。それで採用されたのがリアニメイトエンジンということですか?

田崎 「そうなんです。着目したのが《堀葬の儀式/Unburial Rites》で、これも非常に強いカードなので、4枚デッキに入れたいなと思いました。それで、いっそのことフィニッシャー部分をリアニメイトにしてしまおうということになったんです。」

―― サイドボードの《流転の護符/Quicksilver Amulet(M12)》がかなり目を引きますが、なぜこのカードを?

田崎 「サイドボード後に《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》とか墓地対策カードがたまに入ってくるので、それ対策として採用しました。ドローサポートと《太陽の宝球/Sphere of the Suns》があるので、ちゃんとクリーチャーを出せます。」

 実際にゲームを見ていると、《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter(M12)》《思案/Ponder》《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》という、環境でも屈指のライブラリー掘削能力を持っているため、4~5ターン目には安定してリアニメイトができるようだ。

 クリーチャーデッキには《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》で完封だし、《核の占い師、ジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxias, Core Augur》は一度自分のターン終了ステップを迎えてしまえばカードを7枚引ける。即ち、概ね負けない。

 ソーラーフレアの変形型と言い切ってしまうこともできるが、場に出た瞬間に相手の戦線を崩壊させる《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》と、除去されなければ《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx》など比較にならないアドバンテージを提供してくれる《核の占い師、ジン=ギタクシアス》は、フィニッシャーの選択肢としては非常に興味深いものだ。

―― 苦手なデッキはありますか?

田崎 「白緑、白青人間や最近流行のイリュージョンなどのクリーチャーによるビートダウンはかなり勝ちやすいのですが、《深夜の出没/Midnight Haunting》と《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》だけがクリーチャーで、あとはカウンターとドローと《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》、みたいなクロックパーミッションはかなりキツイです。動きが大味なので。あとは、《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》系のデッキもあんまり楽ではないですね。」


 グランプリ・広島の結果を踏まえて、ビートダウンに対して相性の良いデッキを選択した田崎。スタンダードラウンドは3-3と奮わない結果だったようだが、デッキが持つ強いインパクトは会場でもトップクラスだった。

 イニストラード発売当初に誰しもが夢見たリアニメイトを、もう一度調整してみてはどうだろうか?

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