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(翻訳記事) テスト、テスト、1・2の3

(翻訳記事) テスト、テスト、1・2の3

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Tim Willoughby / Translated by Masashiro Kuroda


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 世界選手権がモダンフォーマットに進むと、部屋には若干の緊張した空気が漂うようになった。プレイヤーたちが、もっとも真剣にデッキの情報を探しているフォーマットであるからだ。その理由はとても単純で、プロツアー・フィラデルフィアの内容を受けて禁止カードが設定され、イニストラードが加わった後の、初めてのハイレベルトーナメントだからである。このフォーマットには大きな波が押し寄せるのだろうか? その可能性は大いにあると思われた。

 世界選手権の3番目のフォーマットであるモダンは、多くのチームにとって十分なプレイテストができていないものであった。土曜日までに、すでに多くのプレイヤーが賞金圏外へと脱落しているだろう。確かに、意味をなさないかもしれないことに向かって、多くの時間を割いて準備を進めることは無駄なことのようにも思える。そうだろう?

 ベルギーのVincent Lemoineは、そう思ってはいない。彼はFrank Karsten、Marijn Lybaertとイベントに向け調整を行い、このフォーマットこそが、大部分の時間を費やす価値のあるものだと確信した。「3番目のフォーマットに向けてあまりプレイテストをしないチームもあるが、私はそれが誤りだと思っている。多くの人がモダンに関してあまり詳しくないのだから、私たちがそこにもっと時間を費やせば、他のフォーマットでやるよりも大きな差をつけることができるんだ。」

Vincent Lemoine

Vincent Lemoineは、他のベルギー人プレイヤーと同様に、モダンこそが最も重要なフォーマットだと感じていた。

 自分のデッキに対する正しい理解と、フォーマットに対する正しい理解を実行に結びつける、それが最も顕著に表れるのが、この3日目のフォーマットだとLemoineは認識していた。土曜日に向けて、彼の選択はフィラデルフィアの《欠片の双子/Splinter Twin》デッキをほんの少し更新しただけのものだったが、その変更点はフォーマットを良く理解しているということの裏付けであった。

「私たちは《呪文滑り/Spellskite》対策として、《炎の斬りつけ/Flame Slash》をメインデッキに入れた。これはZooに入っている、大半のクリーチャーを殺すためにも使えるんだ。ソーサリーだということは気にならないね。本当に除去したいものを除去できるか?そこがはっきりしていればそれでいいんだ。」

 Karstenを含むプレイテストグループは、最も成績の悪かったプレイヤーに対する罰ゲームとして、ちょっとした面白い賭けをしようとしていた。最も成績の悪かったプレイヤーは、《機知の戦い/Battle of Wits》と《けちな贈り物/Gifts Ungiven》が4枚ずつ、残りはチームメンバーが選んだカードを1枚ずつ詰め込んだ、ハイランダーのデッキを使わされるというものだった。《機知の戦い/Battle of Wits》を見かけなかったので、それが実際に行われることはなかったと思われる。しかし、ひょっとしたら将来そういったことが行われるかもしれない。

 ナショナルチームのメンバーは他のメンバーと異なり、チーム戦の内容を観察してデッキを調整するという恩恵を受けることができなかった。彼らはモダンのデッキをトーナメントの初日に用意する必要があったからだ。

 Ali Aintraziのように、青白のトロンを調整したプレイヤーもいた。Richard Blandなどイギリスチームのプレイヤーのように、単純にチーム戦と同じデッキを持ち込んだプレイヤーも存在した。イギリス代表チームはネットワークを駆使し、ノルウェー代表チームと提携までして同じデッキを構築したのだった。

 ネットワークを駆使することは、すばらしいデッキを手にするための大事な手段である。チームの一員として準備をするというようなことはない。ChannelFireballは昨シーズンを、言いかえれば二つのプロツアーを支配した。そして彼らのテスト体制は、ちょうどそのようなものだった。彼らは、今のモダン環境に大きな穴はないようだと結論づけた。彼らは最後の最後まで必死にプレイテストを重ね、その結果にたどり着いたのだ。

 ChannelFireballのショップが比較的近く、カードが簡単に届けられる環境の中、昨夜彼らはベッドの上や、テーブルや、床の上でデッキの調整を重ね、オンラインでさらなるテストを行う一方、ゲームの観戦、よりよいプレイ方法やカードの模索もしたのだった。

 Gerry Thompsonのようなデッキビルダーにとって、モダンの環境は調整するのに骨が折れる環境であった。スタンダードの大会に数多く参加する一方で、モダンの環境に関して彼が実生活で多くのテスト時間を割くことができたわけではなかった。彼は新しい仕事に時間を取られ、過去にできたようなオンラインでのテストも十分に行えなかった。

 彼は、Patrick Chapinのメーリングリストが、優位につくための良い手段だと言った。彼とともに働いているMichael Jacobのように、この頭脳集団は常に新しい革新がないか注意を払っている。
 Chapinは、世界選手権の最終6ラウンドを戦ったこのデッキに大変満足しているようだった。おそらく、上記のような考えがすべて上手くいったのだ。

Gerry Thompson

Gerry Thompsonのモダン環境における経験値は低いが、彼はこのフォーマットの優れたデッキを作るネットワークとつながることができたおかげで、素晴らしいデッキリストを手に入れることができた。

 最後に、Reid Dukeの話をしよう。彼はMO Championshipの参加者であり、現在トップを走っている。しかし、世界選手権本戦はそれほど好成績ではなかった。「私はMOCSで使うためのデッキを調整するために、世界選手権を利用しているんだ。」ニューヨーク生まれのReidはこの日の最初にこうつぶやいた。
 また、彼は笑いながら、最高レベルのプレイヤーと戦うのと同じぐらい効果的に、モダン環境をテストできる場所などそうそう無い、と指摘した。
 複雑なモダンのフォーマットを学ぶための、十分な数の大会はなかったのだ。
 世界選手権でReidがフィーチャーされることはなさそうだが、もし彼の最後の調整が実を結び、今夜の4ラウンドを調子よく進むことができれば、MOCSの場で日曜日にフィーチャーされるのはたやすいことだろう。

Reid Duke

Reid DukeはMOCSの最終4ラウンドに向け、世界選手権のモダンフォーマットを使って調整を行っている!

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